2000 Fiscal Year Annual Research Report
嚢内注入による排卵解析を基礎とした内分泌撹乱物質の探索法の確立
Project/Area Number |
11554036
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 孝行 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80197152)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 恭子 ホクドー株式会社, 研究員
大西 淳之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40261276)
|
Keywords | 脊椎動物 / 排卵 / IBI法 / 内分泌撹乱物質 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、脊椎動物における排卵の成否を指標として内分泌攪乱物質の探索が可能かどうかについて検討することであり、この年度では、(1)排卵におけるマーカー分子の探索、(2)排卵関連遺伝子の発現解析および(3)IBI法による内分泌撹乱物質探索の検討を行った。 内分泌攪乱物質による排卵撹乱機構を探るには、適切な分子マーカーが必要となる。そこでブラジキニン受容体が分子マーカーとして適切かどうかを検討した。哺乳類卵巣の顆粒膜細胞では恒常的にB2受容体が発現しており、これが分子マーカーとしては不適切であると考えられた。 次に、当研究室で発見したMMP(MIFRと命名)が内分泌撹乱物質による影響評価に利用できるか否かについて検討した。MIFRが卵胞成長過程で顆粒膜細胞から外莢膜細胞に発現部位が移行することが判明し、内分泌攪乱物質の作用機構の研究において、卵胞成長マーカー分子として利用できることが示された。 IBI法による内分泌撹乱物質探索系の検討も行った。本法による解析から、内分泌攪乱物質アミトラスは排卵数の減少をもたらしたが、DESとDEHPでは影響が出なかった。またDES投与を受けた母の産んだ♀仔が、正常な機能をもつ卵巣を発達させ得るか否かを検討した。ラットでは排卵数には顕著な差が現れなかったが、マウスでは明瞭な差が確認された。この結果から、DES投与を受けた母マウスから産まれた♀仔は、その生殖器官を正常に発達させられなかった可能性があると考えられた。これらの知見から、哺乳類の排卵を指標とする系は、ある種の内分泌攪乱物質の探索に有効であると結論された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kimura, A.: "Expression and localization of transcripts of MTS-MMP and its related MMP in the ovary of the medaka fish Oryzias latipes"Biochim.Biophys.Acta. (in Press). (2001)
-
[Publications] Kimura, A.: "Localization of bradykinin B2 receptor in the follicles of porcine ovary and increased expression of matrix metalloproteinase -3 are-20 in oultored granulosa cell by bradykinin treatment"Biology of Reproduction. (in press). (2001)
-
[Publications] Kimara, A.: "Identification of porcine tollipsin as plasma kallikrein and its possible involvement in the production of bradykinin within the follicles of porcine occur."Mol. Reprod. Develop.. 57. 79-87 (2000)
-
[Publications] Kihara,T.: "Identification of componants of the intrafollicula bradykinin produting system in porcine ovary"Biology of Reproduction. 62. 1160-1167 (2000)
-
[Publications] Matsui,H.: "Expression of gelatinases A and B in the ovary of the medaka fish Oryzias latipes."Eur.J.Biochem.. 267. 4658-4668 (2000)