1999 Fiscal Year Annual Research Report
絶滅危惧植物保全を目的とした絶滅リスク評価法の開発
Project/Area Number |
11554037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢原 徹一 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90158048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹沢 俊介 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00111865)
井上 健 信州大学, 理学部, 助教授 (40176425)
高橋 英樹 北海道大学, 総合博物館, 教授 (70142700)
角野 康郎 神戸大学, 理学部, 助教授 (90127358)
横田 昌嗣 琉球大学, 理学部, 助教授 (90166885)
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Keywords | 絶滅危惧植物 / 保全生物学 / リスク評価 / レッドデータブック / 環境アセスメント / IUCN |
Research Abstract |
われわれは絶滅確率の簡便な推定法を開発し、数値基準を取り入れた環境庁版植物レッドリストを作成し、1997年8月に発表した。このリストは国内において大きな反響を呼ぶとともに、国際的にも注目を集めている。本研究計画は、この絶滅リスク評価法の改良を行い、国際的に認知される評価方法を確立することを目的としている。また都道府県単位でレッドデータブックの編集が進められている現状を考え、都道府県単位でも活用できる絶滅リスク評価のための簡便なソフトの開発を行う。さらに、環境アセスメント法の施行の下で今後広く行われるレッドリスト掲載種調査において、調査の標準となるデータベースと調査用ソフトの開発を行う。 本年度はまず、6月に研究会を開催し、データベースの作成・その更新方法の設計・調査用ソフトの設計・リスク評価方法の改良・リスク評価ソフトの設計に関して討論を行なった。また、矢原・松田は6月30日から7月2日にかけてロンドンで開催されるIUCNのワークショップに参加し、研究計画についてのレビューを受けた。7ー12月にかけて、高橋・井上・芹沢・横田は野外調査とヒアリングにより、データベースのためのデータ収集とその検討を行なった。これらの結果にもとづき、矢原は、リスク評価方法の改良を進めるとともに、環境庁レッドリストで情報不足として評価を見送られた365種についてのリスク評価を進めた。その結果、このうち256種が絶滅危惧と判定された。この結果にもとづいて、環境庁レッドデータブックの原稿を完成した。また、調査の標準となるデータベース(日本産植物の全種データベース)の開発を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masuda,M.,Maki,M.,and Yahara,T.: "Effects of salinity and temperature on seed germination in a Japanese endangered halophyte Triglochin maritimum (Juncaginaceae)."Journal of Plant Research. 112・1108. 457-461 (1999)
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[Publications] Matsuda H,Yahara T & Kaneko Y.: "Special Feature:Extinction Risk Assessment of Threatened Species."Population Ecology. 42(印刷中未定). (2000)
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[Publications] Iida,S.and Y.Kadono: "Genetic diversity of Potamogeton anguillanus in Lake Biwa,Japan."Aquatic Botany. 64(印刷中未定). (2000)
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[Publications] Nakamura,T.and Y.Kadono.: "Genetic diversity of the submerged macrophyte Hydrilla verticillata(L.f.)Royle in a river system in Japan."Limnology. 1(印刷中未定). (2000)
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[Publications] Denda,T.& M.Yokota.: "A cytological study of Ixeris nakazonei (Asteraceae;Lactuceae)in Okinawa Island,the Pyukyus."Acta Phytotax.Geobot.. 50・1. 35-42 (1999)
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[Publications] Ohkawa,T.,M.Yokota,& T.Hoshino.: "Aneuploidal population differentiation in Carex sociate Boott(Cyperaceae)of the Ryukyu Islands,Japan."Bot.J.Linn.Soc.. 132(印刷中未定). (2000)