1999 Fiscal Year Annual Research Report
面積選択MOVPEによる結晶成長制御手法の確立とモノリシック光集積回路作製への応用
Project/Area Number |
11555002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
霜垣 幸浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60192613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 義昭 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50183885)
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Keywords | 化合物半導体 / 結晶成長 / MOVPE / 選択成長 / 反応機構 / その場観察 / シミュレーション / 集積化 |
Research Abstract |
本研究は,InP,GaAsなどの化合物半導体結晶を,MOVPE(有機金属原料ガス気相成長法)により作製する際に,シリコン酸化膜で表面を部分的に覆うと酸化膜に覆われたところには結晶が成長せず,結晶面にのみ成長するという選択成長反応を活用し,デバイス作製への応用を検討するものである。今年度は,上記結晶成長機構の詳細を検討するために,シリコン酸化膜のない,プレーンな基板表面上への成長速度,組成などを予測するシミュレーションを主として検討した。その結果,InGaAsなどの4元混晶の場合でも,製膜速度を予測可能な反応機構と速度式を得ることができた。特に3族元素の振る舞いについては,反応温度依存性,濃度依存性を含めて,プロセスの予測をかなり正確に行うことが可能であった。しかし,5族元素に関しては,組成を定量的に予測することができず,反応機構の詳細を再検討する必要があった。そこで,分光エリプソメトリを用いたその場観察により,5族元素(AsおよびP)吸着,脱離に関する情報を求め,吸着速度式を得ることができた。しかし,この情報は他の研究グループの実測値とは異なるものであり,実験条件の依存性などを比較評価する必要があると思われる。そのため,表面での結晶成長過程の詳細を観測するために,エミッションIR分光法によるその場観察の準備を進めてきた。装置はおおよそ完成し,次年度から測定を開始する。これらの観察結果とシミュレーションを活用し,選択成長の高度利用を検討し,デバイス作製への応用を検討していく予定である。
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