2000 Fiscal Year Annual Research Report
網膜・脳機能に学んだ動き検出ネットワークの集積回路化研究
Project/Area Number |
11555013
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
米津 宏雄 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90191668)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 直樹 山口大学, 工学部, 講師 (70252319)
古川 雄三 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (20324486)
|
Keywords | エッジ検出 / 局所適応 / 動き検出 / 外網膜 / 内網膜 / 相関モデル / アナログ・ネットワーク / SPICEシミュレーション |
Research Abstract |
高等動物の網膜における物体のエッジ検出機構に学んで、同一画面内に明暗の領域があっても、空間分解能をその領域に対応して局所的に変えて、エッジ検出をするアナログ集積回路をすでに考案した。本年度は、まず試作したテストチップを評価し、その機能を原理的に確認した。 このエッジ情報を入力にして、物体の動き検出をするネットワークを二つのモデルを基にして検討した。一つは、昆虫のモデルを基にして、接近する物体の動き検出を対象とした。そこでは、画像の大きさと角速度が、眼に近づくにつれて急速に拡大することを利用した。昆虫の相関モデルに基づいてこれまで開発してきた局所動き検出回路を上記のエッジ検出回路に接続した。次いで、上記のモデルを実現するアナログ回路を考案して接続し、直進する物体の方向と速度を知るネットワークを構成した。SPICEシミュレーション結果と、アルゴリズムは良い一致を見た。これにより、三次元空間における動き検出の糸口の一つが見出された。 他の一つは、高等動物の内網膜のモデルを基にして、物体の動き情報の生成を対象とした。上記のエッジ検出機能は外網膜にあるため、この構成は外網膜と内網膜の機能を結ぶことに相当する。内網膜の動き情報を生成する機能をモデル化し、シンプルなアナログ回路を考案して一次元のネットワークを構成した。SPICEシミュレーションによって速度情報が得られることが原理的に明らかになった。また、このモデルを応用すると、速度領域に適応した動き検出機能が得られることも示唆された。 なお、いずれのネットワークにおいても、エッジ情報を0と1に二値化することによって、アナログ回路の誤差が引き継がれて拡大することが防がれることがわかった。
|
-
[Publications] K.Nishio,M.Ohtani,H.Yamada,Y.Furukawa and H.Yonezu: "An Analog MOS Circuit for Collision Avoidance Based on a Visual System of Insects"6th Int.Conf.On Soft Computing (IIZUKA2000) Fukuoka, Japan, 2000. (2000)
-
[Publications] M.Ohtani,H.Yamada,K.Nishio,Y.Furukawa and H.Yonezu: "Analog MOS Circuit Implementation of Biological Directionally Selective Neurons"7th Int.Conf.On Neural Information Processing Taejon, Korea, 2000. (2000)
-
[Publications] H.Yamada,T.Miyashita,K.Nishio,M.Ohtani and H.Yonezu: "An Analog MOS Circuit for Formation of Edge Motion Signals with Local Adaptation Based on a Biological Retinal System"7th Int.Conf.On Neural Information Processing Taejon, Korea, 2000. (2000)
-
[Publications] M.Ohtani,H.Yonezu and T.Asai: "Analog Metal-Oxide-Silicon IC Implementation of Motion-Detection Network Based on a Biological Correlation Model"Jpn.J.Appl.Phys.Part 1. Vol.39 No3A. 1160-1164 (2000)