2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11555023
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 大輔 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (50188025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西成 活裕 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (40272083)
松木平 淳太 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (60231594)
廣田 良吾 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00066599)
筧 三郎 早稲田大学, 理工学部, 助手 (60318798)
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Keywords | 超離散 / ソリトン / セルオートマトン / 差分方程式 / 交通流 / 反応拡散系 / パターン形成 / 箱玉系 |
Research Abstract |
本年度は本研究の2年目にあたり,超離散化手法の基礎理論の強化と応用化の両面にわたって研究を進めた.理論の強化に関しては以下の通り.(1)超離散ソリトン系である一般化箱玉系の解が差分KP方程式の超離散化から得られることの検証を行った.この系は量子化積分系のクリスタル化と深いつながりがあり,この検証は非常に重要である.[論文1](2)超離散化手法の適用の対象となる差分系について,差分化手法の拡張を行った.具体的にはEulerおよびLagrangeのコマの運動方程式の差分化であり,可積分性を保存する形での差分化は従来非常に困難であったがこれに成功した.[論文4,5] 応用化に関しては以下の通り.(3)超離散化の交通流への応用を行った.超離散バーガーズ方程式をベースにして,さらに加速効果を取り入れたセルオートマトン交通流モデルを提案し,非渋滞相-渋滞相の転移点近傍で複数の交通流相が生じる現象を再現した.[論文3](4)超離散化を反応拡散系に応用した.ターゲット,スパイラルパターンが特徴となる反応拡散系について,それらパターンを再現するセルオートマトンモデルを区分線形型方程式で構築し,厳密解が超離散化パンルベ方程式の解に帰着することを証明した.[論文2,6] 今年度は,特に応用面で超離散化が実際に役立つことが検証できた点が大きな成果であると考える.(3)の交通流や(4)の反応拡散系で提出したモデルは,当該専門分野の研究者の予想もつかない形の新しいものであり,数学的な解析もしやすく拡張性も高い.今後はこのような応用面に着目した研究に重点を移す予定である.
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[Publications] T.Tokihiro,D.Takahashi,J.Matsukidaira: "Box and ball system as a realization of ultradiscrete nonautonomous KP equation"Journal of Physics A. 33. 607-619 (2000)
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[Publications] 高橋大輔: "アナログ+デジタル=超離散"ながれ. 19. 193-199 (2000)
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[Publications] K.Nishinari,D.Takahashi: "Multi-value cellular automaton models and metastable states in a congested phase"Journal of Physics A. 33. 7709-7720 (2000)
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[Publications] R.Hirota,K.Kimura: "Discretization of the Euler Top"Journal of the Physical Society of Japan. A69. 627-630 (2000)
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[Publications] K.Kimura,R.Hirota: "Discretization of the Lagrange Top"Journal of the Physical Society of Japan. A69. 3193-3199 (2000)
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[Publications] 高橋大輔: "反応拡散系とmax-plus方程式"九州大学応用力学研究所 報告集. 11ME-S4. 141-146 (2000)