2000 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク経路マイグレーションによるLSI配線破壊機構解析法の開発
Project/Area Number |
11555031
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
北村 隆行 京都大学, 工学研究科, 教授 (20169882)
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Keywords | マイグレーション / ネットワーク / LSI配線 / 破壊機構 / 電流 / 応力 / 粒界 / 界面 |
Research Abstract |
次世代LSI開発において,電流や応力によって原子が輸送されるマイグレーション破壊防止がその信頼性確保の点から重要な問題であることが指摘されている.LSI配線におけるマイグレーションでは,原子は高速拡散路と呼ばれる配線内粒界や絶縁層との界面に沿って輸送される.したがって,その砿壊機構は,粒界・界面ネットワークに強く依存する.本研究では,この機構について数値シミュレーションに基づいて解析することを目的としている.本年度の研究により得られた成果は以下のようにまとまられる. (1)昨年度導出したエレクトロマイグレーションとストレスマイグレーション競合下の汎関数を基に,多結晶配線の原子輸送に関する有限要素法的解析法を提案した. (2)バンブー構造配線の解析より,キャビティからの原子の流出にはストレスマイグレーションが支配的であるが,その流出原子を遠方の流会に運ぶのはエレクトロマイグレーションである. (3)直線配線中のキャビティ周辺のマイグレーションについて解析し,ネットワークが成長速度を加減速することを明らかにした.とくに,粒界三重点近傍において顕著に減速されることが判明した. (4)活発な界面拡散は周辺の粒界の原子流れを活発にするネットワーク効果を有している.界面にキャビティが発生した場合には,この効果によって成長が加速される. (5)屈曲部を有する多結晶配線の電流密度分布および応力分布について検討した.屈曲部では電流が集中するため,原子流束が乱れ,キャビティの成長が加速される.
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[Publications] 北村隆行: "電流と応力による多結晶LSI配線の競合マイグレーション破壊"日本機械学会論文集 A編. 67・653. 108-113 (2001)
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[Publications] T.Kitamura: "Cavity Growth Induced by Electric Current and Stress in LSI Conductor"Creep in Structure. 5. 105-114 (2001)