1999 Fiscal Year Annual Research Report
画像処理を援用した疲労き裂進展挙動のナノスケール動的計測システムの開発
Project/Area Number |
11555034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅田 淳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60162913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植松 美彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80273580)
城野 政弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20029094)
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Keywords | 疲労強度 / 疲労き裂進展 / 画像処理 / 微小き裂 / 高精度計測システム / AFM / 微視的観察 / その場観察 |
Research Abstract |
原子間力顕微鏡下で材料の疲労試験を行い,疲労き裂の発生と進展挙動を動的に観察する装置の試作を行った.駆動装置として,小型で微小な変位制御が可能な圧電セラミックスを用いることによって疲労き裂進展試験装置の軽量化,小型化に成功し,原子間力顕微鏡のステージ上で疲労試験を行うことができた.また,試験片にマイクロメータで静的な荷重を負荷する機構を組み込むことで,荷重負荷状態での疲労試験中の高精度な表面計測を可能とした.同試験機を用い,微小切欠きを有するα黄銅の平面曲げ疲労き裂進展試験を行い,き裂進展挙動のナノスケール動的観察をおこなった.その結果,切欠き底でのすべり変形により疲労き裂が発生することが確認された.また,荷重負荷状態で観察を行うことで,き裂開口変位(CTOD)の変化を高精度で測定することができた.そしてき裂発生直後の疲労き裂は,分岐・屈曲を繰返しながら進展するが,分岐・屈曲挙動とCTOD変化の関連を定性的に明らかにした. 次年度は,原子間力顕微鏡観察で得られる画像に対して,画像処理を援用してCTOD,変位を測定する技術を開発し,上記疲労き裂進展試験装置と組み合わせることで,疲労き裂進展挙動のナノスケール動的計測システムの開発が期待できる.
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