1999 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー光照射による機能表面創成とその機械・電子部品への適用に関する研究
Project/Area Number |
11555039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸倉 和 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比田井 洋史 東京工業大学, 工学部, 助手 (60313334)
平田 敦 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50242277)
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Keywords | 機能表面 / エキシマレーザ / 微細凹凸形状 / 周期的表面形状 / 高分子膜 / ガラス / ダイヤモンド / 偏光 |
Research Abstract |
工業品に要求される表面幾何学的形状では,平滑面が要求されることが多いが,摩擦軽減,吸着防止,ガス放出低減等で必ずしも幾何学的形状だけでは解決できない場合が多い.従って,表面機能を設計する上でどのような面がどのような機能を有するかを明らかにすることが本研究の目的である. 先ずArFエキシマレーザ光をエネルギー密度,照射パルス数,照射角度を変えてポリイミドに照射した.そして,表面の幾何学形状,再付着物,飛散物について詳細な観察を行った.その結果,照射点近傍での発光は照射角度によらないこと,再付着物は雰囲気圧力に依存しかつポリイミドではない物質に変化していること,飛散粒子の大きさは照射条件によらず空間的に粒径分布を持っていること,飛散粒子の一部は電荷を有することがわかった.そこで,このフラグメントに電界を作用させて体積を試み,粒径100nmていどの粒子を堆積させることに成功した.さらに,照射面には規則的な溝が比較的広範囲に形成できることもわかった. また,ガラス基板上に金属粉を敷き詰めこれにレーザ光を照射して表面を創成することを試みた.その結果,ステンレス鋼,アルミニウム,銅等の金属粉は比較的容易にガラスに接合できることがわかった.空気雰囲気の場合最も大きな結合力が得られ,結合力は石英ガラス<パイレックスガラス<ソーダライムガラスの順であった.なお,銅の場合ガラス上にマスクを使うことなく電気回路を描画できることがわかった. 表面凹凸の摩擦力への影響を見るために,合成したダイヤモンド膜同士を擦りあわせることも行った.その結果,摩擦開始直後から摩擦係数が急激に低下することを見いだした.本研究でトライボロジ特性を明らかにしていく上で有益な結果といえる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 武藤慎司,戸倉和: "アルミナ微粒子噴射による表面形状変化化"精密工学会誌. 65. 1819-1823 (1999)
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[Publications] 神尾崇,戸倉和: "レーザアブレーションによるフラグメントの堆積"精密工学会学術講演会論文集. 秋季. 467-467 (1999)
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[Publications] 縄田亮,戸倉和: "ダイヤモンド膜の摺動部材への適用に関する研究"精密工学会学術講演会論文集. 秋季. 537-537 (1999)
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[Publications] 比田井洋史,戸倉和: "レーザ照射による透明基板上への金属パターン描画"精密工学会学術講演会論文集. 秋季. 461-461 (1999)