1999 Fiscal Year Annual Research Report
一方向組立性を具現化するアジア諸国向きテーブルシステムの試作開発研究
Project/Area Number |
11555040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊東 誼 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋詰 等 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (50218400)
割澤 伸一 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (20262321)
新野 秀憲 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (40196639)
森 雅彦 株式会社森精機製作所, 取締役(研究職)
柴崎 弘 日本精工株式会社, 生産技術センタ?, 主任研究員(研究職)
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Keywords | テーブルシステム / 一方向組立性 / バックラッシ / 連続転位歯形 / ラック-ピニオン駆動 / リニアローラガイド / 運動精度 / 生産文化 |
Research Abstract |
本研究では,熟錬技術者が不足しているアジア諸国においては,組立及び保全容易性などを陽に考慮した工作機械を実現することが必要不可欠であるとの観点に立ち,これらの国における技術の練度などに対する充分な考察に基づいた「アジア諸国向き工作機械」を実現する一環として,その重要な構成要素であるテーブルシステムを新たに開発することを目的としている.平成11年度においては,一方向組立性を実現するテーブルシステムのプロトタイプを設計・試作するとともに,その組立性及び運転精度を詳細に検討した. 初年度における研究実績の概要は以下の通りである. 1.アジア諸国向き工作機械に要求される特徴を整理し,テーブルシステムにおいてこれらを実現するための構造構成を新たに提案した.具体的には,製造及び調整が容易な「一方向組立性」を実現するとの観点からテーブルをラック-ピニオン方式により駆動するとともに,歯幅方向に連続転位を施すことにより歯車系のバックラッシを除去する機構を採用し,これらを搭載したテーブルシステムを設計・試作した. 2.試作したテーブルシステムの組立・分解手順を詳細に検討し,一方向組立が可能であることを確認した. 3.組立・分解を繰り返した際のテーブルの運動精度を計測した結果から,本システムでは,組立のばらつきの影響はテーブルのピッチングには小さく,ヨーイングには大きいことを明らかにした. 4.テーブルの代表的な駆動方式によって運動精度を比較した結果から,双軸駆動方式は,単軸駆動方式と比較するとヨーイングの最大変動量は大きいものの,運動姿勢の安定性は優れていることを明らかにした. 5.ストローク340mm,送り速度10.2m/minの条件において,試作したテーブルのピッチングは25μrad,またヨーイングは70μrad以内であり,ボールねじ駆動方式と比較して高い精度を実現できた.
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