2000 Fiscal Year Annual Research Report
超精密マイクロ溝加工技術を利用した微小部品の直接接合
Project/Area Number |
11555042
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
竹内 芳美 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50107546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 潔 ファナック(株), 基礎技術研究所, 室長
森重 功一 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (90303015)
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Keywords | 超精密加工 / マイクロ加工 / マイクロV溝 / 接合 / 精密位置決め / 無接着剤 |
Research Abstract |
超精密加工技術は微細機構部品など非常に小さい加工物に適応され始めている。今後、ナノメータ・オーダの加工精度をもつマイクロ部品の加工技術とその組立て技術はマイクロマシンの製作に不可欠の技術となる。そこで、lnmの位置決め精度をもつ超精密5軸制御マシニングセンタを活用して微細構造、すなわちマイクロストラクチャの製作法とその接合法を研究する。本研究ではその中でも多数の応用分野の期待できるマイクロ溝の加工技術をまず開発し、次に、マイクロ部品の組み立てに必須の基盤技術となる接合・組立て技術の開発をマイクロ溝を利用して行うものである。そのために、部品表面にマイクロ溝を多数加工し、そのマイクロ溝同士のくさび効果と凝着作用を利用し、微細部品同士の無接着剤直接結合技術を確立しようとするものである。前年度で、超精密マシニングセンタにダイヤモンド回転工具を装着し、溝深さ、溝開き角を変えながら各種のマイクロV溝を製作し、良好な溝形状と面粗さをもつ接合用部品を製作できた。接合治具に多数のマイクロ溝をもつ部品同士をセットし、V溝の接合実験を行ったところ、溝加工の容易性とその結合強度から、溝深さ20mm、溝開き角8゜の場合が接合に適切であることが分かった、、この成果をもとに本年度は研究を進め、次のような研究実績を得た。 1.4mm立方の無酸素銅の工作物上に、直交する多数のマイクロV溝を加工し、これを接合させたところ、各方向に0.380mmという微小な位置決め誤差で結合でき、接着剤なして精密位置決めを行える技術を確立できた。 2.無酸素銅とアルミニウムという異種材料の組合せでも精密位置決めが可能であることを確認した。 3.マイクロV溝の応用としてフレネルレンズやその組合せ光学素子を作製する技術開発を行った。
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[Publications] 宮川治: "マイクロV溝を利用した微小部品の直接接合"精密工学会誌. 65・7. 987-991 (1999)
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[Publications] 沢田潔: "超精密マイクロ溝加工を利用したエンコーダ用回折格子の製作"日本機械学会論文集(C編). 66・648. 2846-2851 (2000)
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[Publications] 前田真児: "邦回転工具を用いた超精密マイクロ溝の創成"精密工学会誌. 66・9. 1456-1460 (2000)
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[Publications] ナッタポン・ソウスウィッツ: "理想的断面をもつ邦球面凸フレネルレンズの製作"日本機械学会論文集(C編). 66・651. 3754-3759 (2000)
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[Publications] Yoshimi TAKEUCHI: "Development of Ultraprecision Milling Machine and its Application to Macromachining"Proceedings of International Seminar in Precision Tangand Mocro Technology. 3-12 (2000)
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[Publications] 宮川治: "マイクロV溝を利用した微小部品の直接接合-2方向溝を用いた高精度位置決め-"精密工学会誌. 67・2. 279-283 (2001)