1999 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギのインプロセス計測によるエキシマレーザ加工の安定化
Project/Area Number |
11555044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
古川 勇二 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (10087190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 賢治 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (90281691)
角田 陽 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (60224359)
諸貫 信行 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (90166463)
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Keywords | エキシマレーザ / アブレーション / エネルギ分布 / フォトン / インプロセス計測 |
Research Abstract |
本研究ではKrFエキシマレーザ(波長248nm)を用いている.エキシマレーザは波長が短くフォトンの持つエネルギが高いことから,熱反応によらない光化学反応により加工が行われる(アブレーション)とされている.アブレーションにより加工が行われれば,エッジ部もシャープになり微細加工へ適用することができ,実際にその要求も多い.しかし微細加工への適用については大きく分けて2つの問題がある.第一に,結合エネルギの大きい材料ではアブレーションにより加工が行われず,熱過程を踏んで加工されてしまうことである.これについては,加工材料の点で拘束されてしまうが,結合エネルギの小さいもの(マイクロマシンの材料として良く利用されるシリコンはアブレーション加工が可能)を選定すれば良い.第二に,エキシマレーザはパルス発振であるためにエネルギの値が安定せず,再現性のある加工に問題があるということである.そこで,エネルギをインプロセスで計測してエネルギの安定化を試みれば,微細加工などへの適用が可能と言える.今年度はエキシマレーザの特徴をエネルギの観点から調べた. エネルギの安定性として,まず時間応答を調べた.評価時間は20秒とした.そのときのエネルギの平均値は160μJであった(この値は2時間の実験においても同様の値を示していた).最大値は175μJ,最小値は146μJとなった.これにより1パルスあたり約30μJの幅を持ってエネルギが供給されていることが分かった.次にエネルギの空間分布を調べた(横3mm×縦4mm).本装置におけるエネルギ分布は,理想的にはガウス分布であるとなっているが,実際には2つのピーク値をもつ変則的なエネルギ分布をしていることが分かった.このエネルギ分布が加工形状に,そのまま転写されてしまうため,エネルギ分布の一様化が必要となる.次年度は,ホモジナイザを用いてエネルギ分布の一様化を図るとともに,エネルギのインプロセス計測を行い,エネルギを安定化したエキシマレーザの微細加工への適用を試みる.
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