2000 Fiscal Year Annual Research Report
表面張力の温度依存性を利用したマイクロマシン用アクチュエータの開発
Project/Area Number |
11555058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 英生 京都大学, 工学研究科, 教授 (50166964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 誠 NTTエレクトロニクス(株), フォトニクス事業本部, 技術部長
齋藤 元浩 京都大学, 工学研究科, 助手 (90314236)
堀江 三喜男 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (00126327)
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Keywords | マイクロアクチュエータ / 表面張力 / マランゴニ効果 / マイクロポンプ |
Research Abstract |
本研究は、液体用アクチュエータ、特に液体搬送用マイクロポンプとして、従来ほとんど類をみない作動原理に基づく方式を、熱流体工学の立場から提案するとともに、その実用化への基礎的な検討を行うものである。すなわち、微小スケールの世界において体積力に比して支配的となる表面力の一つとして、気液界面での表面張力を利用したアクチュエータを対象として研究を行う。 表面張力は温度に依存するので、気液界面に沿って温度こう配を付与できれば、液体を駆動することができる。しかし、微小スケールの世界では熱伝導がよいので自在な温度分布を形成するのは、従来行われてきたようなヒーター設置による方法では困難である。そこで温度分布を制御できる熱電素子の導入を試みた。具体的な例としては、2次元チャネルの壁面に、熱電素子と気液界面を形成する空隙とを、周期的に繰り返して配置するような系を考えた。 昨年度行った予備的な数値解析の知見に基づき、本年度はマイクロポンプの試作を行った。熱電半導体としては入手しうる最小の市販熱電モジュールの部品を利用することを考え、一片1mm以下の立方体形の熱電半導体を手作業でアセンブルしなおす技術的な検討に重点をおいた。すなわち、P型およびN型半導体のペアを電極にハンダ付けし、リード線を付加し、微小チャネルに直列配置できるような形状に工作するのであるが、このようなスケールにおいては例えばハンダ付け一つをとっても表面張力がマイナスに作用し困難を極めた。試行錯誤の末、専用ジグを開発し、ようやく形状的には当初の目的を達成したが、マランゴニ効果を最大限に引き出す気液界面の形成と実際の液体駆動の点では未達成となった。これらは、次年度の課題である。
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