2000 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金を用いた管腔臓器の人工開閉弁の開発研究
Project/Area Number |
11555063
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長南 征二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20005424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 順二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006192)
折笠 精一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60001004)
江 鍾偉 山口大学, 工学部・機械工学科, 教授 (60225357)
田中 真美 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80271873)
古屋 泰文 弘前大学, 理工学部, 教授 (20133051)
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Keywords | 形状記憶合金 / 人工尿道バルブ / 経皮的電力伝送装置 / 動物実験 |
Research Abstract |
本年度の研究では昨年に引き続き、管腔臓器の人工開閉弁の中でも特に人工尿道開閉弁に焦点を当て開発を目指し、形状記憶合金をアクチュエータとする尿道開閉用人工バルブの開発を行った。特に形状記憶合金の薄板からなる人工尿道バルブの改良および電池駆動型非接触経皮的電力伝送システムを用いた電力実験を行いバルブ及びエネルギ伝送システムについて検討を行った.得られた結果を要約すると以下のようになる。 1。昨年開発したバルブでは良好な動作が可能である事が分かったが、動物実験の際に尿道がはみ出てしまう事や尿道自体が外れるおそれがあるという知見が得られた。これを元に改良、また生体適合性や装着性の向上を考慮してバルブを改良した。特にバルブの加熱用の導線と2次側コイルなどの接合部が体内に挿入し位置を決定する際に大きな負荷がかかることが予想されるので、それらの部分を脱着可能なように改良した。 2。昨年の段階で電力伝送システムは発振・増幅・伝送回路から構成された小型の経皮的電力伝送装置を開発したが実用を考慮した場合、携帯、省電力化などを考える事が必要である。そこで、回路上で電池から直接発振回路を動作させるのではなく、定電圧回路を導入することを考え、繰り返し実験によりその有効性を確認した。電池から直接動作させた場合には10回程度でバルブ開放させるのに要する時間が200秒程となるのに対し、低電圧回路を導入した場合は150回駆動しても10秒程度で開放が可能である事が分かった。さらに、省電力化のために正弦波発振が可能となるように回路を工夫した。これを用いたものでは150回の繰り返し実験ではバルブ開放に要する時間は最大でも7秒程度でありさらに伝送効率も向上していることが確認された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 長南征二,折笠精一,田中真美,浪間孝重 他2名: "人工尿道バルブ開閉用経皮電力伝送装置の開発"日本機械学会D & D Conference 2000. (2000)
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[Publications] M.Tanaka,T.Namima,S.Orikasa,S.Chonan 他3名: "Development of article urethral valve with transcutaneous energy transformer"SMART 2000 Third International Symposium on Shape Memory Alloys and Related Technology. 14-15 (2000)
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[Publications] 長南征二,田中真美: "機能性材料の生体工学への応用"第12回「電磁力関連のダイナミックス」シンポジウム. 727-732 (2000)
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[Publications] 長南征二,田中真美,浪間孝重,折笠精一 他2名: "人工尿道バルブ開閉用電力伝送装置の開発"日本機械学会Dynamic & Design Conference2000講演論文集. (2000)
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[Publications] 田中真美,長南征二,浪間孝重 他4名: "形状記憶合金を用いた人工尿道括約筋システムの開発研究"IIP2001情報・知能・精密機器部門講演会講演論文集. (印刷中). (2001)