1999 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット利用による知的法律CAIシステムの開発研究
Project/Area Number |
11555103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広田 薫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50130943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高間 康史 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (20313364)
吉野 一 明治学院大学, 法学部, 教授 (50062162)
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Keywords | CAI / 国際統一売買法 / CISG / ファジィ推論 / 判例検索 / 事例ベース推論 / インターネット / 法律エキスパートシステム |
Research Abstract |
本研究では、科学研究費重点領域研究「法律エキスパートシステム」に関する研究成果、および知識情報処理に関するコンピュータ援用教育システムCAIの開発実績の二つの基本的成果を融合し、法律教育における計算機援用教育を促進するための基礎研究を目的とし、交渉課程におけるあいまいさを考慮した法的推論エンジンの開発およびCAIとして実装し、法学部学生を中心とした試用を通じて基本的機能および教育効果の評価を行う。 初年度にあたる本年度は、ファジィ理論に基づく、あいまいな事例表現および事例間の類似性判断を行うことのできる推論エンジンの開発を行った。上記先行研究の成果として、法的推論の工学的モデル化には事例ベース推論(CBR)が適していること、および事例法を適用する際の解釈および当てはめの判断には、あいまい性の存在が避けられない事が、法学専門家との議論を通じてわかっているが、従来のCBRに基づく法的推論エンジンでは、この様なあいまい性が、あまり考慮されていなかった。本研究では、ファジィ理論におけるメンバーシップとベイグネス両概念を用いて、あいまいさを含んだ事例ルールの記述、および推論を可能にした。具体的には、入力となる相談事例に対し、事例ルールの要件要素を満たすか否かをファジィ推論により判定し結論を導出する。また、入力事例が各要件を満たす程度を基に、類似する先例を推論する。両推論結果より、相談事例の事例ルールに基づく結論と、類似先例の結論が同じ場合には、先例と同じ結論を持つと判断する。国際統一売買法(CISG)を題材として事例ルールを構築し、評価実験を行った結果、あいまい性を考慮した推論が行えることを確認した。
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[Publications] 徐明強,広田薫,吉野一: "A Fuzzy Theoretical Approach to Case-Based Representation and Inference in CISG"Artificial Intelligence and Law. Vol.7No.2-3. 259-272 (1999)
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[Publications] 広田薫,徐明強: "A Fuzzy Legal Case-Based Reasoning System for the CISG"The Second Int. Conf on Soft and Intelligent Computing (SIC'99). 228-231 (1999)
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[Publications] 広田薫: "A Fuzzy Expert System for CISG.Plenary Speech"8th Int. Fuzzy Systems Association World Congress (IFSA'99). (1999)
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[Publications] 徐明強,広田薫: "Classifying Vague Legal Concept by Using a Structural Similarity Measure Based on the Fuzzy Factor Hierarchy"1999 IEEE Int. Conference on Systems, Man, and Cybernetics (IEEE SMC'99). (1999)
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[Publications] 高間康史,Mitsuru Ishizaka: "Fisheye Matching: Viewpoint-Sensitive Feature Generation Based on Concept Structure (Extended Summary)"Al'99, Lecture Notes in Artificial Intelligence. 1747. 465-466 (1999)