1999 Fiscal Year Annual Research Report
筋電制御型インタフェースに基づく障害者支援システムの開発
Project/Area Number |
11555113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
辻 敏夫 広島大学, 工学部, 助教授 (90179995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 荘志 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (00284232)
原田 研介 広島大学, 工学部, 助手 (50294533)
金子 真 広島大学, 工学部, 教授 (70224607)
大塚 彰 広島県立保健福祉短期大学, 理学療法学科, 教授 (50280194)
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Keywords | 義手 / 筋電位 / インタフェース / 障害者 / ロボット |
Research Abstract |
本研究では,障害者を支援するためのインタフェース装置,その装置を使って制御可能な生活支援マニピュレータ,その操作方法を修得するためのリハビリテーショントレーニングシステムまで含めた総合的な障害者支援システムの構築を目的としている.今年度はシステム全体の基礎技術である筋電処理部の構築を行った.これは切断者の残存筋から筋電位を採取し,その信号に含まれる動作や力に関する情報を効率よく抽出するために必要である.主要な結果は以下の通りである. 1.新しいニューラルネットの構築 切断者の筋電位信号の特性に柔軟に適応するシステムを実現するために,新しいニューラルネットを開発した.まず,その学習・識別能力を高めるために,(1)混合正規分布型確率密度関数モデル,(2)隠れマルコフモデルに基づいた定式化を行い,その特性をコンピュータシミュレーションにより解析した. その結果,通常の誤差逆伝播型ニューラルネットと比較してパターン識別能力が向上することが明らかになった. 2.ニューラルネットによる筋電位信号のモデル化 次に,構築した混合正規分布型ニューラルネットを用いて筋電位信号のモデル化を行った.その結果,(1)前腕,手の8動作を識別できること,(2)手首関節まわりの屈筋,伸筋トルクを推定できることなどが明らかになった. 3.筋電制御型インタフェースの設計 1,2の結果に基づきインタフェースシステムのプロトタイプを設計した.このシステムでは計測した筋電位をリアルタイムで整流,平滑し,力情報に変換する筋電処理部,複数チャンネルの筋電位信号に基づきパターン識別を実行するニューラルネット部からなる.来年度はこのプロトタイプの識別能力,信頼性を向上させるとともに,電動義手の開発を行う予定である.
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