2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11555166
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
伊藤 満 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (30151541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂部 行雄 村田製作所, 技術開発本部, 統括部長
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Keywords | 強誘電体 / 量子常誘電体 / 電界効果 / ペロブスカイト / ラマンスペクトル / 量子強誘電性 |
Research Abstract |
本研究では電場によって自在に誘電率を制御できる強誘電体および量子常誘電体を開発するための材質設計指針を得るために種々の実験的検討を行った。対象とした物質系はおもにチタン酸ペロブスカイトであり、主にSrTiO_3,BaTiO_3,(Ln,Na)TiO_3の多結晶体を対象として研究を行った。本年度の研究成果は以下の通りである。 (1)酸素同位体置換したSrTiO_3単結晶の研究 量子常誘電体であるSrTiO_3に酸素同位体置換を行って強誘電体化することはすでに昨年報告済みであるが、本年度はこの系の強誘電性と巨大な電場依存性を探るべく、電気測定と光測定により研究をおこなった。ラマンスペクトルの測定では、T_cより数10K高い温度からFerroelectric Micro Region(FMR)の存在が観測された。またこのFMRの大きさは300〜30A程度であることを確かめた。また光複屈折の測定からFMRの出現がラマンスペクトルで検出されるのと同温度であることを確かめた。これらの結果はT_c以下での分極緩和および誘電率の電場依存性から得られるものとは矛盾せず、本系がDomain Wall State状態であることを示している。 (2)展型的な量子常誘電体である(La,Na)TiO_3の単結晶膜の合成と誘電的性質 量子ゆらぎにより常誘電体が安定化されている(La,Na)TiO_3単結晶膜を世界で初めて合成することができこの膜の特性を調べた。この膜はSrTiO_3と異なり、電場応答性が全くなく液体窒素温度以下で誘電率が全く変化しないことを確かめた。 以上の結果、物性が電場に大きく依存する強誘電体を得るためには、FMRをもつ物質系を探索すればよいという極めて単純な設計指針を得ることができ、工業上有益な戦略を立てることができる。
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[Publications] M.Itoh and R.Wang: "Quantum ferroelectricity induced by oxygen isotope exchange in SrTiO_3"Applied Physics Letters. 76,No.2. 221-223 (2000)
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[Publications] Yoshiyuki Inaguma,Tetsuhiro Katsumata,and Mitsuru Itoh: "Lithium Ion Conductivity in A-site Deficient Perovskites Sr_<0.5>La_<0.05>Li_<0.35>[]_<0.1>Ti_<0.5>Ta_<0.5>O_3 and Sr_<0.35>La_<0.15>Li_<0.35>[]Ti_<0.5>Ta_<0.5>O_3"Electrochemistry. 68,No.6. 534-536 (2000)
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[Publications] Ruiping Wang,Yoshiyuki Inaguma,and Mitsuru Itoh: "Predominant factors for quantum paraelectric-quantum ferroelectric transition in SrTi0_3 based oxides"Physica B. 284-288. 1141-1142 (2000)
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[Publications] Daisuke Iwanaga,Yoshiyuki Inaguma,and Mitsuru Itoh: "Structure and Magnetic Properties of Sr_2NiAO_6(A=W,Te)"Material Research Bulletin. 35,No.3. 449-457 (2000)
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[Publications] Ruiping Wang and Mitsuru Itoh: "Domain state properties of SrTi(^<16>O_<1-x>^<18>O_x)_3"Physical Review B. 62. R731-734 (2000)
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[Publications] Ruiping Wang,Norihiko Sakamoto,and Mitsuru Itoh: "Effect of hydrostatic pressure on the dielectric property of SrTi^<18>O_3,and SrTiO_3 single crystals"Physical Review B. 62,No.6. R3577-3580 (2000)