1999 Fiscal Year Annual Research Report
ガラスの結晶化制御による蓄光型長残光性蛍光材料の開発
Project/Area Number |
11555167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三浦 嘉也 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (80032952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
傅 杰 株式会社オハラ, R&Dセンター, 主任研究員
難波 徳郎 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (80218073)
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Keywords | 長残光性蛍光材料 / 透明結晶化ガラス / 希土類イオン / アルカリ土類アルミン酸塩 / 還元溶融 |
Research Abstract |
研究目的と計画 照射光を遮断しても発光が長時間継続する長残光性蛍光材料は、オプトエレクトロニクス分野への応用が期待できるが、従来の硫化物系は残光輝度・残光継続時間の点で実用的でない。これに放射性同位元素を添加した自発光型蛍光材料は、人体への安全性や環境問題の点で問題があり、放射性物質を含有しない蛍光材料の開発が望まれている。ガラスに熱処理を施し透明結晶を析出させることができれば透明結晶化長残光性蛍光ガラスを作製できる可能性があるので、アルカリ土類アルミン酸塩系などの結晶を析出させた透明な長残光性蛍光材料の作製を試みる。種々の光学特性を評価するとともに光センサー,光メモリー,太陽光集光素子など新しい機能性光学材料として応用の可能性を検討する。また長残光性蛍光の発現機構を解明し、長残光性蛍光材料の設計指針を確立したい。 本年度の研究結果 マトリックスガラス組成には45CaO-45Al_2O_3-10SiO_2+0.5Eu_2O_3・1Nd_2O_3(mol%)を選び、溶融雰囲気を還元性にするためにグラファイト粉末を随伴させた。比較のために50CaO-50Al_2O_3+0.5Eu_2O_3・1Nd_2O_3組成の結晶を作製した。バッチを二重にしたアルミナ坩堝の内側に入れ外側のアルミナ坩堝にはグラファイトを詰め蓋をすることによって還元溶融を達成させた。1650℃で45分間溶融した後プレス急冷してガラスを得た。ガラスを950℃と1000℃で2時間窒素置換炉内にて熱処理し作製した結晶化ガラスは長残光性を示さなかったが、1350℃で300分間結晶化処理をした焼結体は数分間の残光が視認できた。いずれの焼結試料からもCaAl_2O_4が析出した。蛍光スペクトルよりグラファイト還元によりEu^<3+>からEu^<2+>ヘの還元が確認された。ガラスの熱処理温度を上昇させるとCa_2Al_2SiO_7結晶が析出した。次に60ZnO-20SiO_2-20B_2O_3:Tb^<3+>を白金坩堝を用い大気中で1300℃、180分間溶融し、ブレス急冷してガラスを作製した。希土類イオン添加量により残光特性に違いが見られ、Tb^<3+>添加量が0.02,0.04,0.06,0.08,0.1,0.2,1mol%の試料の内では0.1mol%のものが最も強い残光強度を示した。現在は水素還元炉を用いて還元雰囲気での溶融を試みている。
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