2000 Fiscal Year Annual Research Report
金属-絶縁体転移的な電気抵抗変化を示すBi合金・絶縁体コンポジット材料の開発
Project/Area Number |
11555171
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
三木 俊克 山口大学, 工学部, 教授 (70091212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 卓也 山口大学, 工学部, 助手 (70263796)
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Keywords | PTCR材料 / Biガラスコンポジット / 衝撃圧成型 / 電極一括形成技術 / 金属ネットワーク切断モデル / 抵抗ジャンプ温度の低温化 |
Research Abstract |
BiガラスコンポジットPTCR材料(特許出願済み)の実用化に向けて、(1)繰り返し昇降温に対する性能劣化の改善、(2)電極形成技術の確立、(3)抵抗ジャンプ温度の低温化の3点を調べた。また、(4)新規PTCR材料の動作機構の解明も進めた。 その結果、以下のことが明らかとなった。 1)コンポジット体の成型プロセスで室温成型を採用してきたが、新たに衝撃圧を用いて成型した後に高温処理をすると、繰り返し昇降温に対する性能劣化が起こらないことを新たに見出した。その結果、本材料の実用化に向けての最大の障壁がクリアされた。 2)材料製造プロセスの簡略化は製造コスト低減の観点からも重要であり、Biガラスコンポジットと電極の一括形成技術の開発を行った。その結果、成型プロセスで同時に電極形成をする手法を新たに開発し、その有効性を確認した。 3)Bi金属を低融点金属(In、Snなど)と合金化して、抵抗ジャンプ温度の低温化を試みた。抵抗ジャンプ温度の低温化は実現できたものの、InあるいはSnとガラスの反応により伝導特性が半導体的になる等の問題も残り、この点が今後の課題となった。 4)示差熱分析、電子顕微鏡観察などを併用して、BiガラスコンポジットのPTCR特性(金属・絶縁体転移的電気抵抗変化)のメカニズムを調べたところ、我々が提案してきた「金属ネットワーク切断モデル」の妥当性が確認できた。 これらの成果の一部は、現在、論文投稿し印刷予定となっている。また、特許出願準備中のものもある。
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Research Products
(1 results)