1999 Fiscal Year Annual Research Report
金属間化合物及びセラミック基複合材料への高靱化発現機構の組み込み
Project/Area Number |
11555175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
落合 庄治郎 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 正樹 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70252492)
石川 敏弘 宇部興産株式会社, 宇部研究所, 主席研究員
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Keywords | 複合材料 / 破壊 / 強度 / 損傷 / 界面 / 多重破断 / 金属間化合物 / セラミック |
Research Abstract |
次世代高温材料である繊維強化金属間化合物およびセラミック複合材料の開発に向けて,き裂の進展を阻止する高靭化機構を導入する手法を開拓することは急務である。本研究では,強度・靭性を低下させるモードIき裂進展を阻止して高靭化するため,主として界面制御効果と構成材の多重破断効果について実験及びシミュレーションで調べた。主な結果は以下のようにまとめられる。(1)繊維への応力伝達をそれほど損なわない程度に界面剥離を生じさせて,き裂先端の応力特異性を消失させることにより,モードIき裂進展を阻止する効果を実験とシミュレーションで把握できた。(2)界面剥離に及ぼす残留応力の影響を実験的・理論的に考察し,繊維軸方向に繊維を圧縮,マトリックスに引張の残留応力は剥離を加速すること,多数の損傷(繊維破断,マトリックス破断,界面剥離)間の力学的相互作用は剥離を加速すること,その結果,各損傷部での応力集中は緩和できるが界面があまり弱いと繊維束強度になること,それでも界面が強くモードI破壊が生じるより複合材強度を高く出来ることを明らかにした。(3)多重破断は応力集中の分散に効果的で,モードIクラック進展のエネルギー解放率を低下させること,特に界面が強い場合はマトリックスの多重破断により複合材強度が上げられることを明らかにした。
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