2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11555176
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 秀幸 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60239762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大中 逸雄 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00029092)
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Keywords | 熱電変換 / 多孔質体 / 熱電材料 / エネルギー変換 / 熱交換 / 協調成長 |
Research Abstract |
熱電変換効率の向上には、言うまでもなく材料特性の向上が重要である。しかし、材料特性だけでなく、素子の特性、熱電システムの構築も熱電変化を普及させるために重要な要素である。本研究では熱電素子の特性の向上に注目し、熱交換効率を増加させることによる素子のエネルギー密度向上を目指した研究を行った。 具体的には、(i)多孔質素子形成プロセスの発展、(ii)多孔質熱電素子の試作、(iii)多孔質熱電素子の実験的性能評価、および電極部分に熱交換機能も付加した素子の試作と特性評価を行った。 多くが脆性材料である熱電材料の多孔体形成には、KC1を混合した焼結法を用いて行った。多孔体とバルクを組み合わせた素子、p型とn型を組み合わせた熱電モジュールの作製が可能になった。また、電極部分に熱交換機能を付加した素子を試作し、その製造プロセスなどを確立した。 多孔体素子、フィン形状電極の素子の特性を評価するために、熱電現象、熱伝導などの物理現象を含めて、3次元の複雑形状の熱電素子の特性を予測できる数値計算ソフトを開発し、素子の設定に利用した。熱伝導率の低いガスを熱源・冷却源して利用する場合において、多孔質電極あるいはフィン形状電極の素子を最適化することにより、素子の単位面積当たりの出力はバルク素子に比べて数倍から10倍程度増加できる可能性があることが明らかになった。また、そのために求められる条件として、多孔体部分の電気伝導率の増加が空隙率程度であれば十分特性向上が期待されることが明らかになった。 FeSi2多孔質体を用いた熱電素子を試作し、発電特性では約10倍のエネルギー密度になることが明らかになった。(Bi, Sb)2Te3の多孔質素子では、低温ガスを用いた発電、室温付近における冷却特性を測定した結果、従来素子よりもエネルギー密度は増加する試作素子があるが、数値計算で期待された増加よりも小さかった。材料の脆性にため、多孔体部分の電気伝導率の低下が原因であることが明らかになった。このような脆性材料では、多孔体部の電気伝導率を増加させない製造プロセスの確立が今後の課題となった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Yasuda: "Evaluation of a Thermoelectric Device Utilizing Porous Medium"Proc.MRS symp.. Z11.2.1-Z11.2.6 (2001)
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[Publications] H.Yasuda: "Fabrication of Porous Media by Semisolid Processing using Laser Irradiation"Mater.Trans.. 42. 309-315 (2001)