2000 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒テラワットレーザーを用いたセラミックスの精密加工
Project/Area Number |
11555182
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 建一 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (50111670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 久貴 NTTアドバンストテクノロジー(株), 材料開発・分析センターチームリーダー, 研究職
弘中 陽一郎 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (20293061)
中村 一隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (20302979)
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Keywords | フェムト秒レーザー / レーザー加工 / 誘電破壊 / セラミックス / テラワット / 光通信 / 微細加工 / 衝撃波 |
Research Abstract |
本年度では,溶融石英,光学ガラス(BK-7),アルミナ単結晶,弗化カルシウム単結晶のフェムト秒レーザー照射によるアブレーション閾値を各種の方法で求めた。すなわち,集光スポット径を50μm程度の一定の値として,照射エネルギーを変化させることによって閾値を求めたもので,(1)レーザー散乱光強度をフォトダイオードでモニターして散乱強度が急激に変化するレーザー照射エネルギー密度の点を閾値とする方法,(2)照射後の表面クレーターのサイズに対してレーザーの空間プロフィルをガウシアン関数としてフィッティングして閾値を求める方法,(3)多光子吸収のみでレーザーエネルギーが吸収されるとしてモデル式を誘導してエッチング率にフィットさせることで閾値と多光子吸収係数を求める方法,のそれぞれを独立に計測した。その結果,アルミナ単結晶では(1)0.35J/cm_2,(2)0.37J/cm_2,(3)0.37J/cm_2,とそれぞれの方法による閾値が良く一致した。これらの閾値の材料依存性は,バンドギャップの値と相関があったが,単純な線形関係にはならなかった。弗化カルシウム単結晶は機械的強度が小さいためか割れが入り,アブレーション過程が非熱的であっても,その反作用として生じる衝撃波や残留熱応力の効果を無視できないことが分かった。 また,1回の照射によるアブレーションの確認は不明確でデータ変動が大きかったため,いずれも,アブレーションの深さがレーザー照射回数に対して線形関係があるこを確認して,100回の照射を平均する方法を採用した。したがって,処女試料の閾値は再検討する必要がある。さらに,マスク法による文字や図柄の除去加工を試みたが,深さ方向には切れ味の良い加工が行える一方,文字や図柄の境界がレーザー光の干渉のため不明瞭であった。光学系を検討する必要があるが,実用化の目処が得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大野嘉土,弘中陽一郎,矢崎秋夫,岡野泰彬,斎藤文一,中村一隆,近藤建一,竹中久貴: "超短パルスレーザー誘起による誘電破壊と圧力発生"平成11年度衝撃波シンポジウム講演論文集. 637-640 (2000)
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[Publications] 大野嘉土,水山淳,弘中陽一郎,矢崎秋夫,岡野泰彬,斎藤文一,中村一隆,近藤建一,竹中久貴: "超短パルスレーザー誘起による誘電体の誘電破壊と圧力発生"第41回高圧討論会講演要旨集. 70 (2000)