2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11555185
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴田 俊夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90001205)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛田 隆弘 住友金属工業(株), 総合技術研究所, 主任研究員
藤本 慎司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70199371)
春名 匠 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70243186)
|
Keywords | 水素脆化 / 水素可視化 / 走査型レーザー電解顕微鏡 / 鉄鋼材料 / 電気化学 |
Research Abstract |
この研究では,実際に高強度鉄鋼材料を使用する際に問題となる水素脆化現象をより詳細に検討するために,金属材料表面に局在化した水素分布を可視化する手法である,局部水素検出用走査型レーザー電解顕微鏡を開発することを目的とする.この方法は,溶液中で金属材料に侵入・脱離する水素の挙動をin-situに検出できることにその特徴がある. 本年度は,昨年度試作中であった水素透過試験用小型電解槽を作製し,本装置を完成させた.また,水素透過試験中の炭素鋼を用いて,その水素検出面にArレーザー光を照射し,その応答電流特性を検計した.レーザー光を顕微鏡に導入せず,光ファイバー端面から集束させずに,水素検出面全面に照射した場合,水素検出面での水素到達量に対応する水素検出電流の増加とともに,レーザー光照射による応答電流が増加し,このシステムにより,動的な水素侵入状態での水素検出面での水素量を定量的に把握できることが明らかになった.さらに,レーザー光を顕微鏡に導入し,集束させた状態で水素検出面に照射すると,レーザースポット径が数十μmであるにも関わらず,レーザー応答電流が観測され,水素検出電流の増加とともに増加することが確認された.試料の水素検出面の一部に遮蔽材を設置し,遮蔽材と水素検出面との境界近傍に対してレーザー光の一次元走査を行い,その応答電流分布を測定した.その結果,遮蔽材上に対して水素検出面上でのレーザー応答電流が増加したことから,この装置によって少なくとも数十μmの分解能で水素検出面での水素分布の可視化が可能であることが分った.この一次元のレーザー応答電流分布の検出に対する水素検出電流,対物レンズの倍率,レーザー強度,各照射位置での照射時間の影響を検討し,電流分布検出に対するこれらの各因子の最適値を得た.
|