2001 Fiscal Year Annual Research Report
耐熱・耐食・耐摩耗性に優れたプラスチックスとセラミックスの複合溶射皮膜の開発
Project/Area Number |
11555189
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Research Institution | ARIAKE NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
川瀬 良一 有明工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20214653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
氷室 昭三 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (90165134)
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Keywords | 複合溶射皮膜 / ポリフェニレンサルファイド / ポリエーテルエーテルケトン / 加熱造粒法 / 機械的造粒法 / 溶融粉砕法 / メカノフュージョン法 / 流動床造粒法 |
Research Abstract |
研究初年度の平成11年度では、ポリフェニレンサルファイドまたはポリエーテルエーテルケトンとアルミナの複合粉末と複合溶射皮膜を作製した。複合粉末の作製法としては、加熱造粒法、機械的造粒法、溶融粉砕法およびメカノフユージョン法を採用した。溶射法としては、超高速溶射法を採用した。得られた溶射皮膜性能を評価した結果、プラスチックスだけの溶射皮膜よりもセラミックスが複合された皮膜の耐摩耗性はかなり向上したが、耐食性はやや低下した。この原因としては複合粒子の形状が大きく影響しており、セラミック粒子の外面に多量のプラスチック粒子が付着するような複合粒子形状が望ましいことが判明した。 平成12年度では、最近、食品や医薬品の製造用に開発された流動床造粒法を用いて複合粉末と複合溶射皮膜を作製した。材料としては、平成11年度と同じようにポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンおよびアルミナを用いた。得られた溶射皮膜性能を評価した結果、平成11年度と同じように、プラスチックスだけの溶射皮膜よりもセラミックスが複合された皮膜の耐摩耗性はかなり向上したが、耐食性はやや低下した。この原因としては、流動床造粒法で複合粉末を作製する際に、結合剤として添加した水溶性のポリビニルアルコールが皮膜中に残り、皮膜の耐食性が低下したと推測された。 平成13年度では、流動床造粒法における結合剤の種類や配合率について検討した。材料としては、ポリフェニレンサルファイドとアルミナを用いた。得られた溶射皮膜性能を評価した結果、耐食性と耐摩耗性に優れた溶射皮膜の作製条件を明らかにすることができた。
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[Publications] Ryoichi Kawase: "Composite Process to Produce Plastic/Ceramic Composite Powder for Thermal Spraying"Proceedings of 1999 International Conference on Advanced Manufacturing Technology. 1300-1304 (1999)
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[Publications] 川瀬良一他: "アルミナ/ポリエチレン複合溶射材料と溶射皮膜性能"高温学会誌. 25・Sup. 245-251 (1999)
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[Publications] 川瀬良一他: "アルミナ/高融点プラスチック複合溶射皮膜性能"高温学会誌. 26・Sup. 265-272 (2000)