1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11555193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 昭二 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40024351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国友 和也 新日本製鐵株式会社, プロセス技研, 主任研究員
井口 義章 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00023268)
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Keywords | 炭化鉄 / 鉄鉱石ペレット / 新鉄源 / 天然ガス / 充填層 / ペレット状炭化鉄 / 反応プロセス |
Research Abstract |
近年、地球規模の資源、エネルギー、環境問題などの解決あるいは緩和のための対処技術として製鋼プロセスにおける鉄スクラップ(鉄屑)の再生リサイクルが益々重要度を増してきている。しかし、そのプロセスの発展には鉄屑中不純物の希釈剤であるピュアーな鉄源の供給が必要となる。鉄源としては従来より還元鉄や銑鉄などがあるが、さらに最近では炭化鉄が最も注目されている。炭化鉄は熱源炭素の多量含有、鋼中窒素の大幅低減可能等の優れた特徴が期待できるからである。 このような状況の中で本研究者(林、井口)は、最近、ラボ規模の固気反応容器を用いて広い温度、広い反応ガス種及び組成域にて極めて短時間(1時間弱)のうちに多種の鉄鉱石から高安定性を有する炭化鉄を100%の変換率で製造できる画期的な新合成プロセス原理を世界で初めて見い出し、この新技術を主要製鉄会社と海外共同特許出願した。この新法は反応ガス中の硫黄分圧を低値に規定することを特徴とし、従来法(IC法と称す)よりも1桁高い生産性と高温安定性等にも優れている他、他の多くの有利性を期待できるものである。 本研究は上記の新法(新I法と称し、H2-CO混合ガスを使用)よりもさらに高生産性を有する新II法(H2-CO-CH4混合ガスを使用)の開発を目指し、この研究結果の実用化への可能性を見極めるために、ベンチ規模の回分式充填層反応装置を作製し、高品質なペレット状炭化鉄製造のための最適反応プロセス条件を明確にし、ペレット状炭化鉄の経済的多量製造プロセス確立のための基盤研究とするために遂行される。 平成11年度には熱天秤反応装置内で鉄鉱石ペレットを新II法の基本ガスであるH2-CH4混合ガスによって800-950℃の所定反応温度にて還元、炭化し、ペレット内炭化鉄の生成挙動を把握した。反応ガス中硫黄分圧と反応温度、時間に依存するが、ほぼ煤生成なしで高収率にてペレット状炭化鉄の合成に成功した。また、新II法は新I法の約2倍の炭化速度を期待できる結果が得られた。
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