1999 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物融体中への窒素及び炭素の溶解機構に関する研究
Project/Area Number |
11555194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 邦彦 九州大学, 工学研究科, 助教授 (10207764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 克巳 九州大学, 工学研究科, 教授 (80037754)
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Keywords | 酸化物融体 / 窒素 / ビッカース硬度 / 溶解度 / 粘度 / オキシナイトライドガラス |
Research Abstract |
オキシナイトライドガラス,オキシカーバイドガラス及びオキシカーボナイトライドガラスの開発に関する基礎的研究として,本年度はY_2O_3-Al_2O_3-SiO_2系融体中への窒素の溶解度の測定を行った。また、得られたガラスのビッカース硬度試験を行うとともに、これらのガラス融液の粘度の測定を行った。 実験には、SiO_2/Al_2O_3=1.0,2.0としてY_2O_3を35,40,45mass%と変化させた試料を用いた。本実験条件(1550℃,Po_2=10^<-10>〜10^<-12>)では、測定した全ての組成において窒素含有物は約9時間の保持で飽和に達しており、最大で2〜2.3mass%の窒素を含有することが明らかになった。また、SiO_2/Al_2O_3が一定ならばY_2O_3の含有量が多い組成ほど窒素の飽和値が大きくなっていることがわかった。オキシナイトライドガラスのビッカース硬度は、いずれの組成に置いても窒素含有量の増加に伴い大きくなっており、2〜2.3mass%の窒素を含有するガラスで同組成の酸化物ガラスのビッカース硬度の約1.2倍程度に当たる800〜840kgf/mm^2の値が得られた。 SiO_2/Al_2O_3が一定ならば、酸化物ガラス融液の粘度はY_2O_3の含有量の増加に伴い増加していた。このことより、Y_2O_3はガラス融液の網目構造を切断する修飾酸化物として作用しているものと推定した。また、オキシナイトライドガラス融液の粘度は、いずれの組成に置いても窒素含有量の増加に伴い大きくなっていたことから、溶融酸化物中に導入された窒素はSi-N結合を形成しガラス融液の網目構造を強化するため、急冷して得られたオキシナイトライドガラスの化学結合も強化され硬度が増加したものと推定される。
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