2001 Fiscal Year Annual Research Report
擬液膜操作によるプリントサーキットボードのエッチング廃液簡易処理プロセスの開発
Project/Area Number |
11555207
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷垣 昌敬 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (30027148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城石 昭弘 富山大学, 地域共同研究センター, 教授
車田 研一 京都大学, 工学研究科, 助手 (80273473)
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Keywords | 擬液膜 / 分離操作 / エッチング廃液 / 廃液処理 |
Research Abstract |
本研究は、電子工業において使用されているプリントサーキットボードのエッチング工程中で出てくる高濃度の銅を含む高酸性廃液から,静電擬液膜法(ESPLIM)を用いて銅金属を回収・再資源化し,同時に酸のリサイクル使用を可能とする廃液処理プロセスを設計・開発することを目的として実施した。 本年度は抽剤の探索,静電擬液膜法のモデル化およびプロセスのフィージビリティーに関する検討を行った。まず、抽剤の探索に関して、新しく開発された抽出剤を入手して検討したところ,高い酸濃度での抽出は可能であったが,分相が困難であり、これを十分解決するには至らなかった。エッチング廃液に対応する高濃度の酸溶液からの抽出は現在入手可能な抽剤では困難であり,新しい抽剤の開発が待たれる。 上記の抽剤探索が残念な結果となったので,静電擬液膜実験装置の設計に必要となる電場中における液滴の分裂挙動と物質移動挙動を中心的な研究課題とした。液滴の分裂挙動と運動をビデオカメラで観察することによってその挙動をモデル化することができた.また、このモデルと既存の物質移動推算式を組み合わせることによって,静電擬液膜装置での総括的な抽出性能を予測することが可能となった. 静電擬液膜装置は液滴の滞留時間が短いので,抽出(反応)速度の遅い系では不利である。この欠点を克服するものとして、撹拌型バルク液膜装置を考案した。この装置についても液滴挙動を観察し,抽出性能を予測することが可能となった。 現段階ではエッチング廃液そのものを対象とする抽出における理想的な抽剤の探索が成功していないが、予備的なフィージビリティー検討の結果,逆抽出に用いる酸が非常に高濃度であり操作的に苦しい点があるが,銅を再資源化し,また,酸を循環再利用するプロセスが可能であることが判明した。
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