2000 Fiscal Year Annual Research Report
生体適合分子によるナノ構造組織でのリパーゼの活性制御並びに高効率エステル生産
Project/Area Number |
11555211
|
Research Institution | KOCHI NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
長山 和史 高知工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (00270364)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直江 一光 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 講師 (00259912)
今井 正直 日本大学, 生物資源科学部・食品科学工学科, 助教授 (80193655)
|
Keywords | マイクロエマルション / 逆ミセル / オルガノゲル / レシチン / シュガーエステル / ポリグルセリンエステル / エステル合成 / リパーゼ |
Research Abstract |
本研究は,生体適合分子を基幹として構造化された分子集合組織の自由溶液系並びに固定化有機ゲル系においてリパーゼによる脂肪酸エステル合成を行い,以下の知見を得た。 1.自由溶液系 シュガーエステル,ポリグリセリンエステルにより形成した分子集合組織において,リパーゼ(Mucor miehei,Rhizopus delemar)の反応活性が最大に発揮される生体適合分子濃度並びに有機相水分量の存在を明らかにした。また,速度パラメーターを通じて反応活性を定量的に示した。一方,リパーゼの回収に関して検討を行い,水相との接触によりリパーゼを回収できることが認められ,本法を酵素回収をともなう反応プロセスとして展開する基礎を確立した。 2.固定化有機ゲル系 レシチンにより形成した分子集合組織に生体高分子であるゼラチンを添加し形成した有機ゲル組織にリパーゼ(Candida rugosa,Mucor javanicus,Rhizopus arrhizus,Rhizopus delemar)を固定化し,反応活性が最大に発揮されるゲル相水分量,ゼラチン濃度並びにレシチン濃度の存在を明らかにした。また,基質の有効拡散係数並びに分配係数を実測し,有効係数を通じてゲル粒子径と反応活性の関連を推算し,本法を固定化酵素プロセスとして展開する基礎を確立した。一方,固定化リパーゼの反応活性が長時間安定的に発現することを明らかにした。 3.分子集合組織の微細構造・物性 電気伝導度測定による集合組織の微細構造ならびに物性の検討を行い,電気伝導度が急激に増加する温度条件を見出し,組織間の相互作用が操作温度により変化することを明らかにした。また,集合組織への電解質および酵素の可溶化あるいは有機溶媒の溶媒物性により大きく相互作用が変化することを明らかにした。
|
Research Products
(11 results)
-
[Publications] 長山和史,山川はるか,土居俊房,今井正直: "AOT分子分子集合体でのRhizopus delemarリパーゼによる加水分解における反応条件と速度パラメーター"膜. 26・1. 52-59 (2001)
-
[Publications] 直江一光,松本千春,森井清二,熊野早紀,河越幹男,今井正直: "逆ミセル有機溶媒における電気的パーコレーション現象とタンパク質の可溶化状態"膜. 26・2. 86-94 (2001)
-
[Publications] K.NAGAYAMA,M.IMAI: "Soybean lecithin gels as a carrier of immobilized lipase"Proceedings of the 3rd Internatioanl Soybean Processing and Utilizatin Conference. 520-521 (2000)
-
[Publications] M.IMAI,K.NAGAYAMA: "Ester synthesis catalyzed by Candida rugosa lipase in AOT-gelatin gelmatrix"Abstracts of the 3rd European Symposium on Biochemical Engineering Science. 228 (2000)
-
[Publications] K.NAOE,T.OHSA,M.KAWAGOE,M.IMAI: "Esterification reaction using Rhizopus delemar lipase using reverse micelles of sugar ester"Abstracts of the 3rd European Symposium on Biochemical Engineering Science. 231 (2000)
-
[Publications] K.NAGAYAMA,N.YAMASAKI,T.DOI,M.IMAI: "Esterification catalyzed by immobilized Candida rugosa lipase using lecithin microemulsion-based organogels"Abstracts of the 11th World Congress on Biotechnology. vol.1. 538 (2000)
-
[Publications] K.NAOE,Y.TAWARAMOTO,M.KAWAGOE,M.IMAI: "Polyglycerol ester assemblages in an organic solvent and its application to lipase-catalyzed reactions"Abstracts of the 11th World Congress on Biotechnology. vol.4. 520-521 (2000)
-
[Publications] 長山和史,山崎允義,今井正直: "生体適合性ゲルマトリクスを用いるリパーゼによる脂肪酸エステル合成"日本食品工学会第1回大会講演要旨集. K6 (2000)
-
[Publications] 大佐友美,直江一光,河越幹男,今井正直: "シュガーエステル逆ミセル系でのlipaseによるエステル合成反応条件と速度パラメーター"日本食品工学会第1回大会講演要旨集. K5 (2000)
-
[Publications] 俵元友子,直江一光,河越幹男,今井正直: "ポリグリセリンエステル分子集合体の可溶化特性とその酵素反応場としての利用"日本食品工学会第1回大会講演要旨集. K7 (2000)
-
[Publications] 小西泰二,直江一光,河越幹男,今井正直: "酵素分子の立体構造の安定性と逆ミセル有機相への抽出"日本食品工学会第1回大会講演要旨集. E10 (2000)