2001 Fiscal Year Annual Research Report
メソポーラスシリケートの常温合成法の開発と触媒・吸着材料への応用
Project/Area Number |
11555214
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺岡 靖剛 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (70163904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安武 昭典 三菱重工業(株), 長崎研究所, 主席
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Keywords | メソポーラシリカ / メソポーラスメタロシリケート / 触媒 / 吸着剤 / 環境浄化 / 光触媒 / 水質浄化 |
Research Abstract |
本研究は,種々のメソポーラス体の合成法の開発と新規なメソポーラス系触媒および吸着剤の開発を目指したものである.本年度の成果概要は以下の通りである. 1.室温合成法によるメソポーラスシリケートの大量合成について検討した.小スケール合成での条件をそのまま用いたのではメソポーラス体の大量合成は不可能で,種々の条件とりわけ無機原料と界面活性剤の比の調整がスケールアップに対する最も重要なパラメータであることを明らかにした. 2.昨年度に引き続き,メソポーラスシリカを種々の酸化物でコーティングする手法の検討を行った.金属アルコキサイドを用いる方法ではアセチルアセトンを添加すれば,バルク酸化物を生成することなく均一なコーティングが可能であることを見出した.このように修飾したメソポーラス体は母体のメソポーラスシリカに比べて耐熱性,耐アルカリ性が大きく向上した.その効果はSnO_2,ZrO_2で修飾した場合に顕著であり,効果の小さいTi修飾体では粒子状(島状)にTiO_2が生成している可能性が強く示唆された. 3.イオン性色素の吸着にはメソポーラス体の表面電荷が大きく影響することを明らかにした.カチオン性色素であるメチレンブルーに対しては,カチオン交換性および光の吸収と触媒作用を持つメソポーラスフェロシリケートが吸着能と光分解能を併せ持ち,水系からのカリオン性色素の除去用吸着・触媒材料として最も有望であることを明らかにした. 4.アルギン酸ビーズ法によるメソポーラスシリケート含有ビーズ成形体の作製においては,メソ多孔構造の崩壊が大きな問題点であった.種々の条件を検討し,メソ多孔体を原料溶液に懸濁,攪拌する時間などを最適化して,実用に耐えうる強度を持ったメソポーラス体含有吸着成形体の作成条件を確立した.
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[Publications] Y.Teraoka et al.: "Synthesis and characterization of tin oxide-modified mesoporous silica by the repeated post-grafting of tin chloride"Microporous and Mesoporous Materials. 48(1-3). 151-158 (2001)
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[Publications] Y.Teraoka et al.: "Rapid Room-Temperature Synthesis of Various Mesoporous Silicates Potential as Adsorbents"Fundamentals of Adsorption 7 (Proceedings of FOA 7, Nagasaki, 2001.5). (in press).