1999 Fiscal Year Annual Research Report
重油流出等汚染海域の高速浄化を目指した海中林再生技術の確立
Project/Area Number |
11555218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本多 裕之 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (70209328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴村 素弘 中部電力株式会社, 電力利用技術研究所, 専門研究員
小林 猛 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10043324)
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Keywords | 海藻 / 組織培養 / 海中林 / 遺伝子導入 / 摂食阻害 / 光合成独立栄養増殖 |
Research Abstract |
カジメ、アラメなどの大型海洋藻類は海中林と呼ばれる群落を形成し、海洋環境を保ち、魚介類の住みかを提供する役目を担っているが、磯焼けによって急速に海中林が消滅している。そのため、上記藻体を大量に移植・ 再生する必要がある。しかし、海中林を形成するような大型藻体の組織培養は国内外ともに未だほとんど研究がなされていない。我々はすでに陸上植物の組織培養に関して確立した実績を応用して、藻体・海中林の早期育成方法の確立と被害岩礁の早期再生法の確立を目指した。 まず、光合成独立栄養増殖によるカジメ・アラメなどの組織培養を試みた。培地成分、培養温度、光源の種類、炭酸ガス濃度などについて検討し、 最適な培養条件を決定した。 その結果、培養20日で15倍にまで増殖させることに成功した。遺伝子組換え藻体の育種に関して、双子葉、単子葉の陸上植物で発現が確認されている強力なベクターを利用し、GFPやグルクロニダーゼ遺伝子をレポーター遺伝子として用いて、パーティクルガン法やレーザー穿孔法などの物理的遺伝子導入法を検討したが、現在まで組換え体の育種に成功していない。引き続き導入法を中心に検討予定である。実際の海域では、小型巻き貝がアラメなどを食べてしまうことが問題となっている。そこで、小型貝の代表としてアワビの稚貝に対する摂食阻害物質を検索した。その結果、ポリフェノールが顕著な阻害効果を示すことがわかり、食害を軽減する投棄方法について見通しが立った。
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