2001 Fiscal Year Annual Research Report
赤潮藻類をピンポイント攻撃する安全かつ実用的なバイオレメディエーターの開発
Project/Area Number |
11555221
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大竹 久夫 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10127483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 章夫 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (50205241)
加藤 純一 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (90231258)
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Keywords | 赤潮 / プロテアーゼ / 細菌 |
Research Abstract |
平成12年度までの遺伝学的解析から、菌体外プロテアーゼがA-28株の赤潮殺藻物質であることが示唆されていた。そこで、菌体外プロテアーゼが赤潮殺藻物質であることを確認するため、A-28株の菌体外プロテアーゼの精製を行った。菌体外プロテアーゼは、限外ろ過で濃縮したA-28株の培養上清から、陰イオン交換クロマトグラフィーおよび調製用電気泳動の精製操作ののち、SDS-PAGE上で均一になるまで精製された。精製プロテアーゼの赤潮殺藻アッセイが行われ、赤潮殺藻活性が検出された。この結果から、菌体外プロテアーゼが確かに赤潮殺藻物質であることが証明された。A-28株の赤潮殺藻プロテアーゼ(プロテアーゼIと命名された)は分子量50kDaのモノマーであった。PMSF(フェニルメチルスルフォニルフルオライド)とDIP(ジイソプロピルフルオロリン酸)で活性が阻害されたことから、プロテアーゼIはセリンプロテアーゼであることが示された。プロテアーゼIをコードする遺伝子は、プロテアーゼIのN末端アミノ酸配列と内部のアミノ酸配列を基にDNAプローブを作成し、そのプローブを用いてクローニングされた。プロテアーゼIは、キチン分解性の海洋性細菌として分離されたAlteromonas sp. O-7株の菌体外セリンプロテアーゼAprIと高い相同性を示した。プロテアーゼIのC末端領域には、繰り返し配列が存在した。プロテアーゼIの成熟蛋白質はそのうちひとつの配列を含んでいた。
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