2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11555240
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田丸 良直 長崎大学, 工学部, 教授 (80026319)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 尚志 住友製薬(株), 研究員
岡島 俊哉 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (60224002)
木村 正成 長崎大学, 工学部, 助手 (10274622)
|
Keywords | アレン / [2+2]付加 / [4+2]付加 / オキサゾリジノン / 複素環化合物 / スピロ化合物 |
Research Abstract |
環式カルバミン酸は従来より医薬、農薬の基本骨格をなす代表的な複素環化合物として知られている。この点に着目し、我々のグループでは、効率のよい環式カルバミン酸の合成法を開発を目的として研究を進めている。 本研究では、これからの反応のうち、とりわけ、アレン結合をもつ4-vinylidene-2-oxazolidinone 1を医薬品リード化合物合成の鍵中間体として利用することを集中的に検討した。 アレンカーバメート1は各種オレフィンと単に80-100℃に加熱するだけで容易に環化付加反応をする。その反応挙動はあたかもカメレオンのごとく、反応相手のオレフィンの電子的性質により、3種類の異なった環化反応をする。メチルビニルケトンやアクロレインなどの極端に電子欠損のオレフィンとはアレンC_1-C_2炭素上で[2+4]付加環化をする。一方、他の多くの(中程度)電子欠損オレフィン(例えばアクリル酸メチルやアクリルアミド)やスチレン、フェニルアセチレン、1,3-ブタジエンなどとはアレンC_2-C_3炭素上で[2+2]環化を行いメチレンシクロブタン骨格を与える。また、電子過剰オレフィン、例えばビニルエーテルやフランとの反応では、トシル基のNからC_2への1,3-転位、その結果生成する1-アザジエンへのビニルエーテル類の[2+4]付加環化を経過して生じたと思われるテトラヒドロピリジンが高収率で得られることを発見した。更に、同様の[2+4]付加環化反応がアリルシランでも進行することも分かった。これら、3種類の反応はいづれも新規で画期的な成果である。本年度はC_1-C_2炭素上で[2+4]付加環化を集中的に検討し、C_2-C_3での[2+2]環化付加との機構的違いを明らかにした。また、C_1-C_2炭素上で[2+2]付加環化を新たに発見し、検討中である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 柴田 和文: "Nickel-catalyzed three-component connection reaction of a phenyl group, conjugated dienes, and aldehydes : stereoselective synthesis of(E)-5-phenyl-3-penten-1-ols"J Organimet. Chem.. 624. 348-353 (2001)
-
[Publications] 堀野良和: "Et3B-promoted, Pd-catalyzed C-allylation of o-hydroxyacetophenone and its derivatives with allyl alcohols"Tetrahedron Lett. 42. 3113-3116 (2001)
-
[Publications] 柴田和文: "Nickel-Catalyzed Intramolecular Homoallylation of ω-Dienyl Aldehyde"Org. Lett. 3. 2181-2183 (2001)
-
[Publications] 内藤誠: "Practical Synthesis of Myrcene Derivatives Possessing Oxidized Methyl Groups"J. Org. Chem.. 66. 4447-4449 (2001)
-
[Publications] 木村正成: "Nickel-catalyzed homoallylation of Aldehyde in the Presence of Water and Alcohols"Angew. Chem. Int. Ed. Engl.. 40. 3600-3602 (2001)
-
[Publications] 木村正成: "Strikingly Simple Direct α-Allylation of Aldehydes with Allyl Alcohol : Remarkable Advance in the Tsuji-Trost Reaction"J. Am. Chem. Soc.. 123. 10401-10402 (2001)