2000 Fiscal Year Annual Research Report
水中での触媒的有機合成プロセス:環境負荷物質のゼロエミッション化
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11555243
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
魚住 泰広 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (90201954)
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Keywords | 遷移金属触媒 / パラジウム-ホスフィン錯体 / 両親媒性固相 / 水中有機合成 / PS-PEGレジン / パラジウム触媒反応 |
Research Abstract |
環境負荷物質,特に有機廃棄物のゼロエミッション化,この目的に対する最も直接的な解答は(1)有機溶媒を用いない有機合成,(2)回収利用の容易な有機合成触媒の創製である.すなわち水中有機合成を可能とする高機能性固定化触媒を開発する.しかし出発物質/標的物質ともに有機化合物である以上,それらは多くの場合水に不溶あるいは難溶であり「水中触媒的有機合成」は理想的ではあるが矛盾を孕んだチャレンジングな課題である.具体的には水に馴染みかつ有機物質の浸潤を受けやすい両親媒性固相への有機合成上利用価値の高い遷移金属触媒活性種の固定化を鍵とし,本申請課題への突破口を探る.特に従来の触媒的有機合成プロセスを水中反応へと転換する可能性を示し,次世代のゼロエミッションプロセスの基盤を創る.水中での有機化合物の反応挙動は現在の化学からは全く予想し得ないことから,基礎科学的にも多くの新知見を集積できる.を目的とした. 具体的には,遷移金属-ホスフィン錯体を両親媒性固相に担持し従来有機溶媒中で実施されてきた合成プロセスの水中実施によるゼロエミッション化を検討した.水中でこそ進行する新現像探索に注力した.既に昨年度の研究実施によりパラジウム触媒による最も代表的な炭素-炭素結合形成反応であるアリルエステル類求核置換反応および一酸化炭素挿入によるカルボン酸合成反応を完全に水中で実施できる反応系を確立し報告した.現有の設備により若干名の大学院生と共同で推進した. 本年度はオキソ法,ワッカー法,種々の酸化反応などの汎用性に富む変換工程の水中実施による有機廃棄物ゼロエミッション化を実現した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 魚住泰広: "Enantioselective desymmetrization of meso-cyclic anhydrides catalyzed by hexahydro-1H-pyrrolo [1,2-c] imidazolones"Tetrahedron Letters. 42. 411-414 (2001)
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[Publications] 魚住泰広: "A parallel preparation of a bicyclic N-chiral amine library and its use for chiral catalyst screening"Tetrahedron Letters. 42. 407-410 (2001)
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[Publications] 魚住泰広: "Modification of Chiral Monodentate Phosphine (MOP) Ligands for Palladium-Catalyzed Asymmetric Hydrosilylation of Styrenes"Chem.Lett.. 1272-1273 (2000)
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[Publications] 魚住泰広: "Micheal Reactions in Water Using Amphiphilic Resin-Supported Quaternary Ammonium Hydroxides"Synlett.. 11. 1643-1645 (2000)
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[Publications] 魚住泰広: "Palladium-Catalyzed Asymmetric Reduction of Racemic Allylic Esters with Formic Acid : Effects of Phosphine Ligands on Isomerization of π-Allylpalladium Intermediates and Enantioselectivity"Tetrahedron. 56. 2247-2257 (2000)