2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規糖ポリマーを担持したキラル固定相の合成と光学分割システムへの応用
Project/Area Number |
11555244
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
覚知 豊次 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (80113538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加我 晴生 工業技術院, 北海道工業技術研究所・機能物質化学研究室, 室長(研究職)
横尾 泰日児 宇部興産株式会社, 高分子研究所, 主席研究員
八島 栄次 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50191101)
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Keywords | キラル固定相 / マンニトール / 光学分割 / アミノ酸 / アミノアルコール / 新規糖ポリマー |
Research Abstract |
1,2:5,6-ジアンヒドロ-D-マンニトールのアニオン重合の停止時にトリメトキシシリルプロピルクロライドを加え、末端にトリメトキシシリル基を有するポリマーを合成した(数平均分子量、2700;分散度、1.5)。次に、このシリル化ポリマーをシリカゲルと反応させ、さらにシリカゲル表面のシラノール基をトリメチル化した。得られたシリカゲルの炭素含有率は14.1%であった。この固定相を用いたHPLCによる光学分割は溶離液に過塩素酸水溶液(pH2)/メタノール(9/1および1/1)と過塩素酸水溶液/アセトニトリル(4/1)を用いて行った。新規糖ポリマーを固定相としたカラムの理論段数は、フェニルグリシンを用いた場合、1500段程度であった。用いたアミノ酸誘導体では、すべてにおいてD体が先に溶出した。ほとんどのサンプルの分離係数(α)は1.1程度であったが、トリプトファンでは1.10〜1.32とやや大きな値であった。トリプトファン、フェニルグリシン、フェニルグリシンメチルエステル、および、1-(1-ナフチル)-エチルアミンでは、分離度(Rs)が0.40〜0.63であり部分分離された。ロイシン、プロリン、ヒスチジンでは全く分離しなかった。また、Rsは溶離液として過塩素酸水溶液/アセトニトリル系を用いると、過塩素酸水溶液/メタノール系より大きな値を示した。また、医薬関連化合物の光学分割についても検討し、アミノアルコールであるプロプラノロールでは、溶離液に過塩素酸水溶液/アセトニトリル(4/1)を用いた実験において分離が可能であった。この際、(R)-(+)-体が先に溶出し、αは1.1、Rsは0.83であった。以上のことから、新規糖ポリマーはアミノ酸誘導体のみならずアミノアルコール類に対しても不斉認識能を示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kakuchi: "Ring-opening and ring-forming polymerization of 1,2:5,6:9,10-triepoxydecane leading to highly regioselective polymer consisting of octahydrobifuranyl unit"Macromolecules. 33. 246-247 (2000)
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[Publications] T.Satoh: "Cyclopolymerization of 1,2:5,6-Diepithio-3,4-di-O-methyl-1,2,5,6-tetradeoxy-D-mannitol and -L-iditol Leading to a Novel Thio-Sugar"Macromolecules. 33. 5303-5307 (2000)
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[Publications] K.Yokota: "Synthesis of A Noel Polymeric Carbohydrate via Regio- and Stereoselective Cyclopolymerization of 1,2:5,6-Dianhydrohexitol"Macromolecular Symposia. 157. 13-20 (2000)
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[Publications] T.Kakuchi: "Cationic ring-opening polymeriztion of 1,6-anhydro-2,3,4-tri-O-allyl-β-D-glucopyranose as a convenient synthesis of dextran"Macromol.Rapid Comun.. 21. 1003-1006 (2000)
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[Publications] S.Umeda: "A novel chiral stational phase in HPLC. Optical resolution of racemic amino compounds by (1→6)-2,5-anhydro-3,4-di-O-ethyl-D-glucitol bound on silica gel"Enantiomer. 5. 473-479 (2000)
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[Publications] 覚知豊次: "液膜による光学分割"膜. 25. 273-276 (2000)