2000 Fiscal Year Annual Research Report
中性室温作動型高分子燃料電池を目指した酸素極材料の開発
Project/Area Number |
11555253
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山元 公寿 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80220458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 昌芳 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (80306852)
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Keywords | 燃料電池 / 酸素電極 / 機能高分子触媒 / 導電性高分子 / エネルギー変換 |
Research Abstract |
申請者らが独立に開発した酸素還元高分子錯体触媒を活用して、常温下でも作動するの高分子燃料電池を目指した酸素極の開発を目的とし、新しいπ共役高分子錯体を合成し、性能を評価した。 カルボン酸、パーフルオロカルボン酸など酸性基を導入したπ共役高分子錯体を合成した。特にカルボキシ基を有するポリアニリンは自己ドープ型の共役高分子として、従来の共役高分子に較べ幅広いpH領域(pH=0〜7)で安定な酸化還元応答を示す事が明かとなった。酸化還元電位のpH応答が、Nernstの式(60mV/pH)に従うことから、ポリマー中の2ユニットに対し1電子1プロトンの移動を伴う可逆なレドックス反応を示すことを突き止めた。酸素還元の割合と移動電子数について、酸性基導入率の効果を評価、中性に近い条件下でも酸素4電子移動の還元触媒として働く。Co複核ポルフィリン錯体と酸素分子がμオキソ錯体(Co-OO-Co)を形成し、コバルト錯体からの2電子移動に続きπ共役高分子から、連続的に電子がコバルト金属(III価)へ注入されて酸素4電子還元が進行する。 酸化還元電位を酸素4電子還元熱力学電位(1.1V)近傍へ制御するため、各種酸化電位を有するポリアニリンを合成した。高い酸化還元電位を有するポリフェニレン誘導体では4電子移動は生起せず、2電子還元に留まる。自由エネルギー変化ΔGの増加と共に急激に4電子還元効率が減少、電子移動速度の低下により酸素の拡散による散逸に支配されるので、2電子移動のみによるH2O2を優先的に進行することが明かとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Yamamoto et al.: "Selective Synthesis of Cyclic Phenylazomethine Trimers"J.Org.Chem.. 65. 5680-5684 (2000)
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[Publications] K.Yamamoto et al.: "Novel Phenylazomethine Dendrimer : Synthesis and Structual Properties"Org.Lett.. 2. 3079-3082 (2000)
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[Publications] K.Yamamoto et al.: "Doping Reaction of Redox-active Dopants into Polyaniline"Polymers Adv.Technol.. 11. 710-715 (2000)
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[Publications] K.Yamamoto et al.: "Novel Synthesis of Electroresponsive Poly (thiophenylene) through a Michael-Type Addition"Org.Lett.. 3. 131-134 (2001)
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[Publications] 山元公寿: "Oleoscience,酸素4電子還元が駆動する物質変換"油脂化学協会. 147-156 (2001)