2001 Fiscal Year Annual Research Report
海洋構造物に生ずる衝撃流体荷重に対する動的構造応答計算法の開発
Project/Area Number |
11555263
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
荒井 誠 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00232025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 武 独立行政法人海上技術安全研究所, 特別研究官
村井 基彦 横浜国立大学, 大学院・環境研究院, 助教授 (60292893)
井上 義行 横浜国立大学, 大学院・環境研究院, 教授 (60126373)
朱 庭耀 財団法人日本海事協会, 技術研究所, 研究員
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Keywords | スロッシング / 数値計算 / 流体荷重 / 衝撃力 / 船舶 |
Research Abstract |
船舶や海洋構造物に作用する波浪荷重を精度よく評価し構造系の応答を調べることは、それらの構造物を設計する上で極めて重要な研究課題である。本研究の内容及ぴ研究成果は以下の三項目に分類できる。 (1)衝撃流体荷重の数値計算法の研究 衝撃流体荷重を数値流体力学の手法を用いて計算する数値シミュレーション法を開発した。従来の時間および空間を差分近似して計算を進める手法では、圧力を代表点のみで離散的に評価するために圧力値が急変する流体衝撃現象を精度よく模擬することは困難であった。本研究では、衝撃圧力を精度良く計算するために境界条件の検討を行い、自由表面条件と固体壁条件を合理的に接続する新しいアルゴリズムを提案した。また、提案したアルゴリズムを組み込んだシミュレーションプログラムを作成した。さらに、シミュレーションプログラムの計算精度確認のため、模型実験を実施した。実験データを数値シミュレーション結果の比較により、開発したシミュレションプログラムが十分な計算精度をもつことを確認した。 (2)自由落下式救命艇の着水衝撃時の挙動研究 母船から切り離された自由落下式救命艇が水面に着水する際に受ける衝撃荷重は典型的な水面衝撃問題である。本研究では、着水時に受ける衝撃力を精度よく評価し、救命艇の着水運動および乗員に作用する衝撃加速度を評価する計算手法を開発した。開発した計算法の精度は模型実験結果との比較により検証した。本研究により、従来の数値計算法では評価出来なかった自由落下式救命艇の着水時の挙動を精度よく評価することが可能となった。 (3)構造応答を評価して船体や海洋構造物の構造最適化を行う手法の研究 波浪荷重が与えられたときに最適な船体構造形状を求めるためには、多数の構造解析シミュレーションが必要である。本研究はこのような構造解析シミュレーションの負荷を減らし、また最適な設計を合理的に行うための基礎的な検討を実施した。船体の各種の構造を例として合理的かつ効率的な最適設計を行う手法を提案し、その効果を確認した。 以上の研究成果を14件の研究論文にまとめ、国内外の会議、学会、学術雑誌等で報告した。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] Arai, M: "A Technique for Stable Numerica Computation of Hydrodynamic Impact Pressure in Sloshing Simulation"日本造船学会論文集. 第191号(発表予定). (2002)
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[Publications] Liang-Yee Cheng: "A Numerical Treatment of the Boundary Conditions for Stable Assessment of Hydrodynamic Impact Pressure"Proceedings of OMAE' 02. CD-ROM. (2002)
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[Publications] 荒井誠: "Sequential方式による洋上バラスト水交換時に発生するスロッシングについて"日本造船学会論文集. 第191号(発表予定). (2002)
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[Publications] Makoto Arai: "Numerical Simulation of Sloshing of Water in Ship Tanks During Sequential Ballast Water Exchange in Seaways"Proceedings of OMAE' 02. CD-ROM. (2002)
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[Publications] 荒井誠: "自由落下式救命艇の着水後の挙動に対する船型及び落下初期条件の影響"日本造船学会論文集. 第185号. 101-110 (1999)
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[Publications] 荒井誠: "二段滑台を用いた自由落下式救命艇の進水について"日本造船学会論集. 第186号. 135-144 (1999)
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[Publications] Arai, M: "New Launching Concept for Free-Fall Lifeboats and Validation by Model Experiments and Numerical Simulations"The 7th International Marine Design Conference,. IMDC 2000. 205-215 (2000)
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[Publications] Arai, M: "A New Launching Concept for Free-Fall Lifeboats"Proceedings of Major Hazards Offshore, ERA Report 2000. 0548号. 6.2.1-6.2.11 (2000)
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[Publications] 荒井誠: "船体構造設計最適化への応答曲面法の適用性検討"日本造船学会論文集. 第188号. 545-552 (2000)
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[Publications] 荒井誠: "応答曲面法を用いた油槽船隔壁構造の最適化"関西造船協会論文集. 第234号. 237-243 (2000)
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[Publications] M.Arai: "Optimization of the Design of Ship Sturctures Using Response Surface Methodology"The 8^<th> International Symposium on Practical Design of Ships and Other Floating Structures, China. 331-339 (2001)
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[Publications] 清水泰斗: "形状変更ベクトルを用いた応答曲面法による最適船体構造設計(二重底側ブラケットについて)"関西造船協会誌. 第236号. 239-244 (2001)
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[Publications] Suzuki, T: "On the Application of Response Surface Methodology to the Optimization of Ship Structural Design"ClassNK Technical Bulletin. Vol.19. 39-47 (2001)
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[Publications] 清水泰斗: "応答曲面法を用いた油槽船舷側タンク横強度部材の形状最適化"日本造船学会論文集. 第191号(発表予定). (2002)