1999 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ニホンナシ品種「ニ十ー世紀」の産地適応性に関する研究
Project/Area Number |
11556005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田辺 賢二 鳥取大学, 農学部, 教授 (40032106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 助手 (10252876)
田村 文男 鳥取大学, 農学部, 助教授 (50217197)
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Keywords | ニホンナシ / 新品種育成 / 環境適応性 / 生産性 / 台木 |
Research Abstract |
育成した中で有望な2品種TH6(青ナシ系統)、'秋栄'(赤ナシ系統)を、鳥取、千葉、長野のニホンナシ主産地において高接ぎし果実品質を比較した。両品種ともそれぞれ現行の主要品種より糖度がやや高く、また食味が優れており、日本国内の産地の果実品質については著者らが調査を行ってきた場合とほぼ同程度の結果が得られるものと考えられた。一方、いずれの栽培地においても'秋栄'には蜜症がやや多発したことから、蜜症発生機構の解明並びに抑制技術の開発が必要と判断された。 育成した3品種TH6、TH37および'秋栄'をマメナシ、マンシュウマメナシ、ニホンヤマナシおよびオールドホームを中間台とするクインス台に接ぎ木し、生長を調査した。各品種ともマメナシ、マンシュウマメナシ、ニホンヤマナシの3台木間では新梢生長に明らかな差異はみられなかったが、穂木品種間では生長に差異があり、'秋栄'、TH37、およびTH6の順に高い新梢長、節数を示した。また、'秋栄'を穂木品種とした場合、他の2品種より明らかに細根重が高く、根系に明らかに差異が認めらた。一方、クインス台では全て極端なわい化が認められ、中でも'秋栄'が最もわい化する傾向が認められた。 TH6、TH37および'秋栄'の葉芽の低温要求量を調査した結果'秋栄'が最も少なく1000Chill unit程度であり、他の2品種は1400Chill unit程度であった。また、台木種の中ではマメナシが低温要求が少なかったことから、今後は'秋栄'とマメナシの組み合わせの個体を用い、休眠打破処理を行い早期加温栽培の可能性を検討する必要がある。
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