1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11556007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
佐藤 正志 秋田県立大学短期大学部, 生物生産学科, 助教授 (90110585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 啓臣 秋田県立大学短期大学部, 生物生産学科, 講師 (90224881)
高橋 春實 秋田県立大学短期大学部, 生物生産学科, 教授 (00122929)
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Keywords | リンゴ / 交雑育種 / 正逆交雑 / 3倍体 / わい性 / 果実形質 / 種子形成 / 花粉 |
Research Abstract |
本年度は、リンゴ2倍性品種と3倍性品種の正逆交雑(2x×3xと3x×2x)と2倍性品種相互の交雑(2x×2x)からの実生を用い、果実形質と樹のわい性、花粉の発芽率、種子形成について主に比較検討した。 得られた結果は下記の通りである。 交雑実生の成熟果の平均果重は2x×2xが194g、2x×3xが113〜182gであり、2x×3xの交雑組合わせの中には果実が小さい組合わせが認められた。果実の屈折計示度とリンゴ酸含量の平均値については2x×3xと2x×2xで明確な差はみられなかった。しかし、2x×3xの中には極めて高い糖度や酸度を示す実生がいくつか認められた。 幹周の指数別頻度からわい性の実生割合を求めると、2x×3xが51.5〜66.0%、3x×2xが97.4%であり、両交雑区ともに半数以上の実生がわい性を示していた。しかし、3x×2xではその中に生育不良な実生を3割程度含んでいた。 2x×3xの実生について種子親及び花粉親としての受精能力を検討するため、果実当たりの完全種子数と完全種子の形成率、花粉の発芽率を調査した。その結果、完全種子数は1果当たり平均6.5個、完全種子の形成率は55.4%であり、平均値でみた場合には種子親として能力があると判断される。一方、花粉の発芽率は2x×3xでは5.9〜90.3%と、実生によって著しい変異が見られた。その中で交雑育種の花粉親として最低限必要な発芽率20%以上を示す実生割合は74.3%であり、大部分の実生では花粉親として受精能力があると考えられる。
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