2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11556010
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山口 裕文 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20112542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅本 信也 京都大学, 農学研究科, 助手 (60213500)
沖 陽子 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (30127550)
佐合 隆一 茨城大学, 農学部, 助教授 (30261746)
石川 枝津子 北海道農業試験場, 主任研究官
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Keywords | 雑草 / 標準系統 / 系統選抜 / 除草剤 |
Research Abstract |
前年度の研究に基づいて採集の方法・評価について討論し、ヒエ属雑草を中心に現実に薬剤試験に使用されている系統を加えて収集系統の分類評価を行うとともに自殖による系統育成を行った。重要雑草のうち6属9種120地域集団1200系統を収集し、3種について447の自殖系統を作成した。DNAを継続的に抽出し、ノビエの227系統についてDNAを抽出し、RAPD分析を進めた。導入した機器と手法については、抽出作業と120系統の分析結果から、イヌビエとタイヌビエの誤鑑定率は1.8%、抽出不成功率0.7%と推定され、通常より高い精度で作業を進めることが可能であった。無作為に選んだノビエにおける除草剤抵抗性の検出では、3薬剤において差異が認められず、困難であった。 自殖系統の育成と採種は小さな植木鉢でも可能であったが、袋掛けや潅水の際に植物体が倒れるなどの問題があり、大量の自殖種子を得るには作業スペースの確保と労力の効率化を検討する必要が示唆された。北海道では種によって播種期の違いに伴って継代が困難で、栽培条件下で自殖系を確保するにはガラス室などの設備を必要とすることが判った。 ノビエの類似種では種の違いを指標するDNAマーカーは容易に選別できたが、特定の遺伝子型を指標するDNAマーカーの決定にはプライマーの検討と選択が必要であることが判った。自殖継代にともなう遺伝的変異性の変化と併せて検討を続けている。今年度の成果の一部については雑草学会講演会およびAPWSS会議で発表した後、論文として公表する。
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[Publications] 大江真道: "ノビエにみられる分げつ型の特徴について"近畿作物育種研究. 45. 39-41 (2000)
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[Publications] Mimura,M.: "RAPD variation of wild, weedy and cultivated azuki beans in Asia"Genetic Reseuices and Crop Evolution. 47. 603-610 (2000)
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[Publications] 藪野友三郎(監修): "増補改訂 ヒエの博物学"全国農村教育協会(印刷中).
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[Publications] 山口裕文: "雑穀の自然史"北海道大学図書刊行会(印刷中).