1999 Fiscal Year Annual Research Report
リゾビトキシン生産能付与による微生物感染促進技術の開発
Project/Area Number |
11556012
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
南沢 究 東北大学, 遺伝生態研究センター, 教授 (70167667)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊橋 健一 東北大学, 遺伝生態研究センター, 日本学術振興会特別研究員
江面 浩 茨城県農業総合センター, 生物工学研究所, 主任研究員
|
Keywords | リゾビトキシン / エチレン / ダイズ根粒菌 |
Research Abstract |
(1)ダイズ根粒菌Bradyrhizobium elkaniiにおけるリゾビトキシン(RT)生合成遺伝子群の同定:RT生合成遺伝子の一つであるrtxAをプローブとして、B.elkanii USDA94のゲノムコスミッドライブラリーより単離された約50kbpの染色体領域を対象にシークエンスを行い、rtxAを中心とした約30kbpの塩基配列を決定した。これより、rtxAの下流にRTの生合成に必須と考えられる二つの新規ORF(rtxC、rtxD)を同定し、予想される遺伝子産物の働きから、RT生合成経路を推定した。また、共生窒素固定や根粒形成に関わる領域がRT遺伝子群に密接して存在することが明らかとなり、RTが共生において何らかの役割を担うことが示唆された。 (2)RT生合成中間体の検出法の検討:RTおよびその中間体の検出法をLC/MSにより詳細に検討し、その最適条件を得た。これより、今まで検出出来なかったジヒドロリゾビトキシン、セリノール等の中間体の微量な検出が可能となった。 (3)RT生合成経路の確定:(1)よりRT生合成遺伝子クラスターと推定された全領域を含む約10kbpの領域の遺伝子欠失変異体をB.elkanii USDA94を用いて相同組換により作成した。また、広宿主域ベクターpLAFR1上に構築したRT生合成遺伝子領域に対してカナマイシンカセットによる挿入変異を行い、多数のInsertion seriesを得た。これらはシークエンスを行い、各挿入部位を決定している。現在はこれらを用いて相補実験を行い、(2)等により、各遺伝子のもつ機能の同定と生合成経路を検討中である。 (4)RT非生産菌への生産能付与における諸調査:調査の一環として、数種のマメ科植物を用いて、エチレン生合成抑制による根粒数への影響を検討したところ、幾つかのマメ科植物で根粒形成数の増加が観察され、これらの植物に根粒を着生する根粒菌が生産能付与候補として期待されることを見いだした。
|
-
[Publications] Yasuta T.,Satoh S.,and Minamisawa K.: "New assay for rhizobitoxine by inhibition of 1-aminocyclopropane-1-carboxylate synthase"Appl. Environ. Microbiol.. 65. 849-852 (1999)
-
[Publications] Ezura H.,Yuhashi K.,Yasuta T.,Minamisawa K.: "Effect of ethlene in Agrobacterium tumefaciens-mediated gene transter to melon"Plant Breed. (in press).