2000 Fiscal Year Annual Research Report
酵母の変異形質に基づく生理活性物質スクリーニング系の構築と利用
Project/Area Number |
11556017
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮川 都吉 広島大学, 工学部, 教授 (10116676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英俊 雪印乳業株式会社, 生物科学研究科, 主任研究員
平田 大 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (30243603)
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Keywords | カルシニューリンニューリン / MAPキナーゼ / 細胞周期 / カルシウム / 生理活性物質 |
Research Abstract |
Ca2+シグナル伝達経路に作用する生理活性物質のスクリーニングに関し、(1)一次スクリーニング法の改善と(2)スクリーニングを実施、ならびに(3)および作用部位を限定する方法の確立を行った。 (1)一次スクリーニング法の改善:従前のスクリーニングでは、検出の頻度が低かったが、これは第一次スクリーニングにおける検出感度が高くなかったことに起因していると判断した。Ca2+感受性に関わるZds1に加えて多剤耐性遺伝子の発現制御に関与するpdr1/Pdr3、薬剤の膜透過性に関係するSyr1をそれぞれコードする遺伝子を破壊した四重破壊株を作成して、この株をスクリーニングに用いることとした。薬剤の感度を三十倍に高めることに成功し、スクリーニングに必要な感度を達成できたと考えられる。 (2)スクリーニングの実施: 四重破壊株を利用して以下のスクリーニングソースによるスクリーニングを実施した。 ケミカルライブラリーを用いたスクリーニング:8000サンプルをスクリーニングした結果、計5個のヒット化合物を見出した。各化合物について、(3)で述べる方法に従い、作用点及び関連化合物のスクリーニングを行っている。 微生物培養液を用いたスクリーニング:2400サンプルをスクリーニングした結果、個のヒットサンプルを見出した。各ヒットサンプルについて、(3)で述べる方法に従い、シグナル経路上の作用点および構造の解析を行っている。 (3)作用部位を限定する方法の確立: 免疫抑制剤FK506およびCyclosporinAをモデル化合物として、作用部位を限定する方法の確立を行った。カルシニューリン経路とMpk1経路の区別:カルシニューリン破壊株とmpk1破壊株が合成致死となることを利用して、取得された活性物質がいずれの経路に作用しているかを調べることにより、区別できるカルシニューリン経路に作用することがわかった物質については、いずれのイムノフィリンを介して作用しているか、あるいは既知のイムノフィリンを介さずに作用しているかの区別を行う。
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[Publications] A.Shitamukai: "A positive screening for drugs that specifically inhibits the Ca^<2+> signaling acitivity on the basis of the growth promoting effect on a yeast mutant with a peculiar phenotype "Biosci.Biotechnol.Biocehm.. 64. 1942-1946 (2000)
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[Publications] A.Tsuno: "RRS1 a conserved essential gene, encodes a novel regulatory protein required for ribosome biogenesis in Saccharomyces serevisiae"Mol.Cell.Biol.. 20. 2066-2074 (2000)
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[Publications] M.Suda: "Regulation of Weel kinase in response to protein synthesis inhibition"FEBS Letters. 486. 305-309 (2000)
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[Publications] M.Mizunuma: "GSK-3 kinase Mck1 and calcineurin coordinately mediate Hsl1 down regulation by Ca^<2+> in budding yeast"EMBO J.. 20(印刷中). (2001)
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[Publications] Zhang,X.: "Crosstalk between transcriptional regulations of multidrug resistance in yeast"J.Biol.Chem.. (印刷中). (2001)
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[Publications] 水沼正樹: "Ca^<2+>シグナルによる細胞周期制御機構"実験医学. 18. 840-845 (2000)
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[Publications] 宮川都吉: "バイオサイエンスとバイオインダストリー"真核微生物の多剤耐性. 17-20 (2000)