1999 Fiscal Year Annual Research Report
バイオリアクターを用いたリグニン高収率変換法と新しい機能性材料の製造
Project/Area Number |
11556030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
片山 義博 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (10214339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 誠司 株式会社 コスモ総合研究所, 研究員
重原 淳孝 東京農工大学, 工学部, 教授 (60170867)
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Keywords | バイオマス資源 / リグニン / 微生物変換 / 遺伝子工学 / バイオリアクター / 2-ピロン4,6-ジカルボン酸 / 酸クロリド / ポリアミド系高分子 |
Research Abstract |
本研究は、バイオマス資源として大量に生産されるリグニンを出発原料として、また製紙工程で生成する廃液中のリグニンを出発原料として、既存の化学処理法で前処理して調整した低分子リグニン混合物を基に、低分子リグニンをことごとく分解資化する微生物Sphingomonas paucimobilis SYK-6の酵素触媒の機能を遺伝子工学的に利用したバイオリアクターを用いて化学分解前処理リグニンから2-ピロン4,6-ジカルボン酸(PDC)への高収率変換を実現すること、また得られたPDCを出発原料とした高機能性高分子材料やファインケミカルスを製造する新しいリグニンの高度利用技術の確立に取り組むものである。本年度は、低分子リグニンをことごとく分解資化する微生物sphingomonas paucimobilis SYK-6の遺伝子断片を持つ組換プラスミドpVD4を導入した、Pseudomonas putida1100を用いてプロトカテク酸およびp-ヒドロキシ安息香酸から高収率でPDCを生産することに成功した。1リッター規模のバッチ法によるリアクターで高収率生産を実現した。出発原料としてアルデヒド型化合物の場合も高収率でPDCを生産した。pVD4一P5seudomonas putida1100のシステムではバニリン酸、シリンガ酸からのPDC生産は出来ない事から、新たにpVA01プラスミド(バニリン酸完全分解プラスミド)から新たなプラスミドを作製してバニリン酸からの高収率PDC生産に取り組んだ。さらにバニリン酸、シリンガ酸からのPDC生産を達成するためにSphingomonas paucimobikis SYK-6の遺伝子破壊株の作製を進め、現在有望な欠損株の取得に成功した。PDCの物理化学的特性の調査を進め、NaClと複合構造を形成して結晶構造を取っており酸クロリド誘導体への変換に先立ってNaClを除去する事が必要であることが判明し現在その取り組みを進めている。
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[Publications] 西川誠司、重原淳孝、片山義博: "新規なポリアミドの開発-リグニン中の芳香族化合物を生分解性ナイロンへ-"化学と工業. 52. 988-991 (1999)
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[Publications] Masai,E., Katayama,Y., Nishikawa,S., Fukuda,M.: "Characterization of Sphingomonas paucimobilis SYK-6 genes involved in degradation of lignin-related compounds"Journal of Industrial Microbiology & Biotechnology. 23. 364-373 (1999)