1999 Fiscal Year Annual Research Report
魚類ビテロジェニンのユニバーサル抗体を用いた測定系の開発
Project/Area Number |
11556038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 彰彦 北海道大学, 水産学部, 教授 (40091483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 博良 片山化学工業株式会社, 研究開発部, 課長(研究職)
井口 和明 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (20176077)
足立 伸次 北海道大学, 水産学部, 助教授 (40231930)
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Keywords | ビテロジェニン / リポビテリン / β'-コンポーネント / モノクロナール抗体 / サケマス / コイ / 酵素免疫測定法 / 化学発光イムノアッセイ |
Research Abstract |
サケマス類およびコイ類を対象種としてビテロジェニンの構成蛋白の1つであるβ'-コンポーネントに対するモノクロナールおよびポリクロナール抗体を作製する。広く魚種をカバーするユニバーサル抗体を選抜し,これを用いて酵素免疫測定法を確立し,広く魚種に共通してビテロジェニンの測定ができる系を開発し,実用化を目指す事を目的とした。本年度は以下の成果を得た。 1.β'-コンポーネントの精製:サケマス類及びコイ類の卵黄蛋白質よりβ'-コンポーネントを精製を行った。コイにおいてはβ'-コンポーネントは同定されておらず,これまで行ってきたサケマス類での精製法を参考にしたが,卵黄中にはβ'-コンポーネント様蛋白は量的に少ないことが明らかとなった。 2.β'コンポーネントのアミノ酸配列:サクラマスより精製した蛋白のアミノ酸配列をN端より35個決定した。この配列は報告されているニジマスビテロジェニンの配列の一部と良く一致した。 3.ポリクロナール及びモノクロナール抗体の作製:サクラマス精製β'-コンポーネント及びリポビテリン,コイのリポビテリンに対する抗体を家兎及びマウスを用いてそれぞれポリクロナール及びモノクロナール抗体を作製した。 4.ビテロジェニンの測定系:サケ科魚類ビテロジェニンの測定系として,β'-コンポーネント及びリポビテリンに対するポリクロナール及びモノクロナール抗体を組み合わせてサンドイッチ酵素免疫測定法(ELISA)を確立した。最小検出感度は0.2ng/mlであった。また,化学発光物質をトレーサーとした迅速簡便な化学発光イムノアッセイ(CLIA)による測定法も確立した。一方,コイに関してはリポビテリンに対する抗体を用いてワンステップ CLIAを確立した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 原 彰彦: "水環境における汚染影響評価のバイオマーカーとしてのビテロジェニン"日本環境毒性学会誌. 2・1. 35-42 (1999)
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[Publications] 原 彰彦: "魚類ビテロジェニン研究と環境ホルモン"医学のあゆみ. 190・7〜8. 745-746 (1999)
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[Publications] 原 彰彦: "内分泌撹乱物質の生態影響-魚類への影響"廃棄物学会誌. 10・4. 278-287 (1999)