1999 Fiscal Year Annual Research Report
水圏生物からの細胞内情報伝達系解析用研究試薬の開発
Project/Area Number |
11556039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伏谷 伸宏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70012010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
松永 茂樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60183951)
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
上森 仁志 和光純薬株式会社, 大阪研究所, 主任研究員
中尾 洋一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60282696)
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Keywords | ソフトコーラル / 海綿 / 酵素阻害 / 抗菌性 / カルモジュリン |
Research Abstract |
日本沿岸産海産無脊椎動物の抽出液を種々の生物活性スクリーニングに付し、その結果浮かび上がった試料から、活性成分の単離および構造研究を行った。その結果、以下に示すような成果を上げた。 1.Sinulamide 四国沖で採集したソフトコーラルのSinularia sp.から胃酸の分泌をつかさどる、H,K-ATPアーゼを低濃度で阻害するsinulamideを単離した。この物質は、ジテルペンがテトラメチルスペルミンとアミド結合を介してつながった構造をしていたが、化学合成によりその構造を確認した。 2.Stellettazole A 式根島産海綿Stelletta sp.から、抗菌性およびカルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼ阻害活性を示すstellettazole Aを単離し、スペクトルデータの解析から、ノルジテルペンがN-メチルヒスタミン誘導体とアミド結合した構造を明らかにした。このヒスタミンの他方の窒素原子はさらに、グアニジノプロピル化されていた。 3.プレニルヒドロキノン硫酸エステル オーストラリア産海綿Sarcotragus sp.に含まれていたフコース転移酵素阻害物質の化学構造を、各種スペクトルデータを元に解析したところ、新規オクタおよびノナプレニルヒドロキノン硫酸エステルであることが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Sata ら: "Sinulamide : an H,K-ATPase Inhibitor..."Tetrahedron Letters. 40. 719-722 (1999)
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[Publications] S.Tsukamoto ら: "Stellettazole A : An Antimicrobial..."Tetrahedron Letters. 40. 737-738 (1999)
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[Publications] T.Wakimoto ら: "Octa-and Nonaprenyl hydroquinme..."Bioorg.Med.Chem.Lett.. 9. 727-730 (1999)