2001 Fiscal Year Annual Research Report
糖蛋白質糖鎖のシグナリング機能を利用した植物成長コントロール技術の開発
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11556062
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| Research Institution | Okayama University |
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Principal Investigator |
木村 吉伸 岡山大学, 農学部, 助教授 (70195387)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 健吾 カゴメ株式会社, 総合研究所, 研究員
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| Keywords | 植物糖蛋白質 / エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ / 果実熟成 / 遊離N-グリカン / N-グリカン代謝 / トランスジェニック植物 |
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| Research Abstract |
本研究は,棺物細胞の分化・成長に係わると推定される糖蛋白質糖鎖の生理機能の詳細を解明するとともに,それら糖鎖のシグナリング機能を利用した植物成長コントロール技術開発の基礎を確立すること目的とする。
本年度は,イネ培養細胞より精製したエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(endo-RO)について,基質特異性をはじめとす多種々の酵素学的性質を明らかにした。その結果,イネエンドグリコシダーゼは,現在までに我々が報告してきた植物エンドグリコシダーゼと同様に,分子量約63kDaで,至適pHは6〜6.5にあり,Manα1-2Manα1-3Manβ1-ユニット構造を持つハイマンノース型N-グリカンに強い活性を示した。現在,遺伝子クローニングに向けてアミノ酸配列分析を行っている。イネ培養細胞内の遊離N-グリカンの構造特性分析は現在進行中であるが、タバコ培養細胞中に存在する遊離N-グリカンについては,(1)細胞質中に存在する遊離N-グリカンはエンドグリコシダーゼにより生成したハイマンノース型構造(Man9-4GlcNAc1)が大部分を占めていること,(2)細胞壁画分では,還元末端にキトビオースユニットを有するハイマンノース型構造(Glc1Man9GlcNAc2,Man9GlcNAc2)が主要構造であった。この結果は,細胞壁画分ではグリコアミダーゼが,細胞質画分ではエンドグリコシダーゼが遊離糖鎖の生成を司っていることを示すものと考えられる。更に培養液中には遊離糖鎖が殆ど検出されないことから,細胞質で生成した遊離糖鎖は細胞内で利用・代謝されるものと思われる。
更に今年度は,果実熟成に伴うエンドグリコシダーゼ活性の変動と遊離N-グリカンの構造特性と量的変動について,桃果実をモデル植物として追跡した。その結果,エンドグリコシダーゼ活性は果実熟成とともに上昇し,収穫期の果実において最大活性を示し,遊離糖鎖含量も最大に達した。この結果は,遊離糖鎖が植物細胞の分化・成長において重要な生理機能を担っていることを示唆する具体的傍証と考えられる。
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[Publications] Kimura, Y., et al.: "Subcellular localization of endo-β-N-acetylglucosaminidase and highmannose type free N-glycans in plant cell"Biochim.Biophys.Acta.. (in press). (2002)
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[Publications] Kimura, Y., et al.: "Purification and characterization of 30 kDa palm pollen glycoprotein, which is recognized by IgE from oil palm pollinosis patients"Biosci.Biotechnol.Biochem.. 66(in press). (2002)
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[Publications] Fujiyama, K., Kira, Y., Iizuka, M., Kimura, Y., Seki, T: "Identification of putative gene encoded on ORF16 of the 81 kb contig of Arabidopsis thaliana hromosome III as α-mannosidase"J.Biosci.Bioeng.. 92. 401-404 (2001)
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[Publications] Fujiyama K, Palacpac NQ, Kimura Y, et al.: "In vivo conversion of a glycan to human compatible type by transformed tobacco cells"Biochem.Biophy.s Res.Commun.. 289. 553-557 (2001)
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[Publications] Misaki, R., Kimura, Y., Fujiyama, K., Seki, T: "Glycoproteins secreted from suspension cultured tobacco BY2 cells have distinct glycan structures from intracellular glycoproteins"Biosci.Biotechnol.Biochem. 65. 2482-2488 (2001)
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[Publications] Kimura, Y., Suzuki, M., Kimura, M: "N-Linked oligosaccharides of glycoproteins of Ginkgo biloba pollen, an allergenic pollen"Biosci.Biotechnol.Biochem. 65. 2001-206 (2001)
