1999 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質間相互作用を利用した細胞内シグナル伝達分子の同定法の開発
Project/Area Number |
11557015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
宮園 浩平 財団法人 癌研究会, 癌研究所・生化学部, 部長 (90209908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 健志 財団法人 癌研究会, 癌研究所・生化学部, 研究員 (70264421)
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Keywords | TGF-β / 骨形成因子 / 蛋白質間相互作用 / シグナル伝達 / Smad / 構造決定 / 質量分析 / アミノ酸配列 |
Research Abstract |
生理的な蛋白質間相互作用を反映し、さらにゲノムデータベースを利用して細胞内シグナル伝達分子を簡便に同定する方法を確立することを目的として、Smadに対する結合蛋白質を哺乳類細胞内で蛋白質-蛋白質の相互作用を用いて同定した。FRAG-tagのついたSmad1〜7の遺伝子をそれぞれCOS細胞に導入し、FLAGに対する抗体で免疫沈降したところ、いくつかの興味深い蛋白質が得られた。そこでとくにSmad1に注目し、共沈してくる約20kDaのタンパク質をCOS細胞から大量に回収した。この蛋白質をトリプシンで分解し、マススペクトロメトリーで解析したところ、Smad1そのものの分解産物とRabファミリーのタンパク質の両者からなることが明らかとなった。 このためRabファミリーのタンパク質がSmadと結合するかを調べてみたところ、少なくとも2つのRabタンパク質がSmad2とも結合し、上記の方法が有用であることが確認された。一方、COS細胞から回収したサンプルでアミノ酸のマイクロシークェンシングをこころみたが検出できず、マススペクトロメトリーで解析するほうがより微量のサンプルの同定に適していることが考えられた。さらに現在、COS細胞にSmadとRabを導入して、どのような条件で結合が起こるか、その生理的意義を検討中である。 また本研究の遂行のためにはBMP(bone morphogenetic protein )に特異的に反応するレポーター遺伝子が不可欠と考えられたことから、XenopusVent2遺伝子やマウスSmad6遺伝子のプロモーターを用いてBMPに特異的に反応するレポーター遺伝子を作ることに成功した。
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[Publications] Kusanagi K.,Inoue H.,Miyazono K.et al.: "Characterization of a bone morphogenetic protein-responsive Smad binding element"Mol.Biol.Cell. 11(2). 555-565 (2000)
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[Publications] Ishida W.,Hamamoto K.,Miyazono K.et al.: "Smad6 is a Smad1/5-induced Smad inhibito r: Characterizaion of bone morphogenetic protein-responsive element in the mouse Smad6 promoter"J.Biol.Chem.. 275(9). 6075-6079 (2000)
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[Publications] Miyazono K.,ten Dijike,P.and Heldin C.-H.: "TGF-b signaling by Smad proteins"Adv.Immunol.. (in press). (2000)