2001 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質間相互作用を利用した細胞内シグナル伝達分子の同定法の開発
Project/Area Number |
11557015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮園 浩平 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90209908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 健志 (財)癌研究会, 癌研究所生化学部, 主任研究員 (70264421)
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Keywords | TGF-β / シグナル伝達 / 蛋白質間相互作用 / マススペクトロメトリー / Smad / DNAP |
Research Abstract |
我々はこれまでTGF-βのシグナル伝達分子であるSmadに結合するタンパク質をFLAG-tagged Smadを用い、FLAG抗体で免疫沈降することによって検索してきた。そしてマススペクトロメトリーによる解析でRabファミリーのタンパク質がSmad1と結合することを示した。しかしこの方法では主として非活性型のSmadと結合するタンパク質が同定されることから、活性型Smadと結合するタンパク質を検索するための新たな手法の開発を行った。 Smad3はCAGAというモチーフに活性化された時にのみ結合することから、CAGA sequenceを用いてDNA affinity purification (DNAP)によるSmad3の回収を試みた。その結果、HaCaT細胞ではSmad3はTGF-βによって活性化されたときにのみ特異的にCAGA sequenceに結合し、さらにSmad2も共沈することが確認された。また転写共役因子であるp300やc-SkiがSmad3とともに回収できることが確認された。 結合タンパク質の特異的な回収のためにはPoly d(I-C)の濃度の決定、ビーヅの洗浄の条件、DNAとの反応時間の設定などが重要であることが確認された。またダイナビーヅを用いることによって、タンパク質を銀染色で調べた場合、劇的にバックグラウンドが低くなることが明らかとなった。以上からDNAPを用いることによって細胞内に存在するSmad結合タンパク質を活性化された時に特異的に効率良く回収できることが明らかとなった。
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[Publications] Miyazono, K., et al.: "Divergence and convergence of TGF-β/BMP signaling"J. Cell. Physiol.. 187・3. 265-275 (2001)
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[Publications] Furuhashi, M., et al.: "Axin facilitates Smad3 activacion in the transforming growth factor-β signaling pathway"Mol. Cell. Biol.. 21・15. 5132-5141 (2001)
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[Publications] Kusanagi, K., et al.: "α-Helix 2 in the amino-terminal Mad homology 1 domain is responsible for specific DNA-binding of Smad3"J. Biol. Chem.. 276・30. 28155-28163 (2001)
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[Publications] Miyazono, K.: "A new partner for inhibitory Smads"Cytokine Growth Factor Rev.. 13・1. 7-9 (2002)
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[Publications] 宮澤 恵二, 横手 幸太郎, 宮園 浩平: "新 細胞増殖因子のバイオロジー"羊土社. 159 (2001)