2000 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞KUSA-A1を用いた低分子の骨形成促進物質(因子)の同定
Project/Area Number |
11557021
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
梅澤 明弘 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70213486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 広行 中外製薬(株), 育成研究センター, (研究職)
東佐 由美 中外製薬(株), 育成研究センター, (研究職)
秦 順一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051614)
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Keywords | 骨芽細胞 / 低分子化合物 / 骨形成因子 |
Research Abstract |
近年、骨髄由来間質細胞を用いた骨・軟骨再生が盛んに試みられている。骨・軟骨・脂肪細胞への分化能をもつヒト骨髄間質細胞株が樹立され、商用ベースに乗ったことにより、ヒト骨髄間質細胞による骨・軟骨再生の研究が飛躍的に進展することが期待されてきた。しかしこの細胞株を100%骨細胞あるいは100%軟骨細胞へ分化させることは、依然不可能とされる。今回われわれはマウス骨髄間質細胞から、成熟骨芽細胞株を樹立した。この細胞株を用いて、骨形成を促進する低分子化合物のスクリーニング系の確立を行った。マウス骨芽細胞株を樹立し,この細胞の性格をin vitroにおけるアルカリフォスファターゼ活性、カルシュウム沈着能、オステオカルシン分泌能、副甲状腺ホルモンに対する反応性およびin vivoでの骨形成能にて検討し、決定した。更には,ヒトへの応用を視野にいれて樹立細胞の表面マーカー検討を行った。樹立細胞株はin vitroおよびin vivoいずれにおいても著しい骨形成能を示し、成熟骨芽細胞株であると考えられた。 樹立した骨芽細胞であるKUSA-A1の全ての遺伝子の発現プロファイルの決定はほぼ終了した.骨代謝の問題を考える時に、骨芽細胞の特性を明確にすることは特に必要不可欠である.gene arrayならびにgene chipを用いた全遺伝子の発現の定量を行った.KUSA-A1細胞は成熟骨細胞の特徴を有するが,この特徴を活かし,受容体またシグナル伝達系の分子の発現量を決定し,結果を随時インターネット上に公開し,広く研究者に利用可能とする.その情報はさまざまな液性因子の反応性を推測できるばかりでなく,ドラッグ・デザインにも重要な情報である.
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