2001 Fiscal Year Annual Research Report
吸血性昆虫唾液腺由来の新しい抗凝固・血管拡張物質の構造機能解析と新規医薬の創製
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11557022
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| Research Institution | Mie University |
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Principal Investigator |
鎮西 康雄 三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正明 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (00223181)
油田 正夫 三重大学, 医学部, 助手 (90293779)
三浦 健 三重大学, 医学部, 講師 (60219582)
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| Keywords | 創薬 / 吸血性昆虫 / 吸血性ダニ / 唾液腺 / 生理活性物質 / 血液凝固因子 / 抗血液凝固物質 / 接触相 |
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| Research Abstract |
本研究では、吸血性昆虫やダニの唾液腺に含まれ、宿主動物の血液・血管・皮下組織に特異的に作用する生理活性分子を探索し、その構造・活性特性・作用機序を解明するとともに、これらを新規な医薬の素材として開発利用することを目的とする。本年度は、まず研究材料とした3種の吸血性節足動物(ブラジルサシガメ、ハマダラカ、フタトゲチマダニ)の唾液腺蛋白質遺伝子の網羅的解析と生理活性物質のスクリーニングを行った。すなわち、(1)各々の唾液腺cDNAライブラリーの作製、(2)ランダムに採取したcDNAの大量解析、(3)主要な分泌型蛋白質の組換え体の発現・精製ならびに生理活性の検討、を行った。具体的にはそれぞれ数千個の唾液腺cDNAを解析し、それらの組換え蛋白質を用いた生理活性のスクリーニングを行い、現在までに十数種類の新規な生理活性蛋白質を見いだすことに成功した。このうちハマダラカ唾液腺からは、接触相の活性化を阻害する作用を持つ新規蛋白質を発見し、詳しい作用機序を解明することにも成功した。接触相とは、血液が異物表面に接触することにより誘発され、血液凝固・炎症反応・補体系活性化などに関わる重要な生体反応の一つである。この唾液腺蛋白質は、接触相活性化に直接関わる2種の血漿蛋白質(血液凝固第XII因子と高分子キニノーゲン)に特異的に結合することで、これら因子の異物表面への結合を阻害し、この結果として接触相の活性化が強く抑制されることが判明した。また同時に、炎症性疼痛の原因物質であるブラジキニンの生成を強く抑制する活性も見いだした。すなわち、この蛋白質は蚊刺による炎症や痛みを効果的に抑制する生理活性物質と考えられる(投稿準備中)。現在、新規な抗炎症剤・鎮痛剤としての応用の可能性を検討している。次年度以降は、生理活性が見いだされた他の唾液腺蛋白質についても順次詳細な生理機能の解析を進めて行く予定である。
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[Publications] Tetsuro Shinoda, et.al.: "Cloning and functional expression of achitinase cDNA from the common cutworm,Spodoptera litura,using a recombinant"Insect Biochem.Mol.Biol.. 31. 521-532 (2001)
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[Publications] Katsuhiko Ando, et.al.: "Five cases of Diphyllobothrium nihonkaiense infection with discovery of plerocercoides from an infective source"J.Parasitol.. 87. 96-100 (2001)
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[Publications] Y.Furuta, et.al.: "Peroral infectivity of non-occluded viruses of Bombyx mori nucleopolyhedrovirus and polyhedrin-negative recombinant"J.Gen.Virol.. 82. 307-312 (2001)
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[Publications] Masao Yuda, et.al.: "von Willebrand Factor A domain-related protein: a novel microneme protein of the malaria ookinete highly conserved"Mol.Biochem.Partasitol.. 116. 65-72 (2001)
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[Publications] Toru Kariu, et.al.: "Essential function of MAEBL in malarial sporozoite infection of the mosquito salivary gland"J.Exp.Med.. (in press). (2002)
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[Publications] Hubert Woitasek et.al.: "Analysis of the involvement of the 3'-untranslated regions in regulating mRNA stability for vitellogenin,cyanoprotein a and"Insect Biochem.Mol.Biol.. (in press). (2002)
