2000 Fiscal Year Annual Research Report
メタロチオネイン濃度の個体差の原因解明とその診断法の開発
Project/Area Number |
11557032
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮入 伸一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (50209855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古地 壯光 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教務職員 (00302167)
三浦 伸彦 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20229644)
永沼 章 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80155952)
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Keywords | カドミウム / メタロチオネイン / 腎臓 / 塩基配列異常 / プロモーター異常 |
Research Abstract |
一般的な日本人の腎臓中カドミウム(Cd)濃度は加齢と共に上昇し、それに伴ってメタロチオネイン(MT)濃度も増加する。したがって、Cd濃度とMT濃度は非常に高い相関性を示すが、この相関にはずれる個体、すなわち中年であるにもかかわらずMT濃度の低い個体が存在する。この個体はCd蓄積量も異常に低いがCd摂取量が少ない可能性は考えにくい。そこで、MT遺伝子欠損マウスにCdを6ヶ月間長期間投与したところ、対照の正常マウスに比べてMT遺伝子欠損マウスでは腎臓中のCdの蓄積がほとんど認められないにも関わらず、Cdによる腎障害が認められた。この結果から、年齢のわりにMT濃度が低い検体の中には、MT蛋白質自体、あるいはMT蛋白質の合成過程に何らかの異常が存在する可能性が考えられる。そこで、ヒトMTの主要分子種であるMT-IIAの遺伝子プロモータおよび各エクソン(エクソン1〜3)領域について、遺伝子変異の有無をPCR-SSCP法でスクリーニングした。その結果、MT-IIA遺伝子のプロモーター領域では103例中19例において転写開始点より5塩基上流に一塩基置換(A→G)が認められた。しかしこの一塩基置換は19例とも片側のアレルにのみに認められ、もう一方は正常のアレルを持つことが確認された。またMT-IIAのexon3領域では103例中5例について一塩基置換(C→T)が認められた。この一塩基置換はコドン42番目のアラニンをバリンに変えるミスセンス変異であることが確認された。またこの一塩基置換は5例とも片側のアレルのみに認められ、もう一方のアレルは正常であることが確認された。さらにこの5例は同時にプロモーター部位にも変異を持つことが確認された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toyoda,H.: "HeLa cell transformants overproducing mouse metallothionein show in vivo resistance to cis-platinum in nude mice"Jpn. J. Cancer Res.. 91. 91-98 (2000)
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[Publications] Satoh,M.: "Modulation of adriamycin toxicity by tissue-specific induction of metallothionein synthesis in mice"Life Sci.. 67. 627-634 (2000)
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[Publications] Miura,N.: "Metallothioneins mediate gene expression of 3.1mRNA (PTZ17) related to epileptic seizure"FEBS Lett.. 479. 146-148 (2000)