2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11557046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村本 環 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40302096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北本 哲之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20192560)
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Keywords | プリオン蛋白 / 遺伝子導入マウス / プリオン感染 / 血液 / ヒト化モデル / 感染力価 |
Research Abstract |
ヒトのプリオン病患者において、血液でも感染性の有無に決着をつけることは、完全な輸血および血液製剤にとってなくてはならない情報である。事実、英国では新型CJDの存在および発病前のリンパ系の濾胞樹状細胞への異常プリオン蛋白の沈着などから、英国は自国の血液を利用した血液製剤の作製を断念しており、この原因となった牛海綿状脳症はヨーロッパ全域に広がりつつある。我々は、ヒト・プリオンに対して高い感受性を示す遺伝子導入マウスモデルを利用してプリオン病の患者の末梢血液内に感染性が存在するのかを検討するため、限界希釈法を用いたタイトレイションを開始している。また、今年度は、すでに感染性が認められている福岡一株のマウス・プリオンの感染マウスモデルを用いて、血液中の感染性が白血球に存在するのかどうかを検討した。具体的には、白血球除去膜を用いて、マウスの血液中の白血球数を1000分の1程度にすることが可能となり、CJD発病マウスの全血を1倍、10倍、100倍、1000倍希釈したものと、白血球除去した血液の1倍をマウスの脳内に接種し感染力価を測定するという方法を開始した。この結果は、本研究の最終年度には得られる予定であるが、細胞成分特に白血球に感染性が存在するのか、それ以外の血漿成分なのかを明らかにすることが可能である。また、来年度はヒト化マウスの発病を指標にした従来のアッセイ法に頼らず、新たに直接プリオン蛋白の異常化を検出する方法(特許出願中)によって感度良く検出できることが明らかとなっている。この方法を血液の分画別に応用する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Konaka K,Kaido M,Okuda Y,Aoike F,Abe K,Kitamoto T,Yanagihara T.: "Proton magnetic resonance spectroscopy of a patient with Gerstmann-Straussler-Scheinker disease."Neuroradiology.. 42(9). 662-5 (2000)
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[Publications] Nakamura Y,Yanagawa H,Kitamoto T,Sato T.: "Epidemiologic features of 65 Creutzfeldt-Jakob disease patients with a history of cadaveric dura mater transplantation in Japan."Epidemiol Infect.. 125(1). 201-5 (2000)
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[Publications] Kitamoto T.: "Creutzfeldt-Jakob disease."Neuropathology.. 20 Suppl. S52-4 (2000)
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[Publications] Muramoto T,Tanaka T,Kitamoto N,Sano C,Hayashi Y,Kutomi T,Yutani C,Kitamoto T.: "Analyses of Gerstmann-Straussler syndrome with 102Leu219Lys using monoclonal antibodies that specifically detect human prion protein with 219Glu."Neurosci Lett.. 288(3). 179-82 (2000)
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[Publications] Supattapone S,Muramoto T,Legname G,Mehlhorn I,Cohen FE,DeArmond SJ,Prusiner SB,Scott MR.: "Identification of Two Prion Protein Regions That Modify Scrapie Incubation Time."J Virol.. 75(3). 1408-1413 (2000)